インデックス投資全般, 指数のお話

『オルカン』保有者は要チェック!MSCI ACWI指数の「銘柄変更」が5月31日に実施されます(全世界で42銘柄を追加、121銘柄を除外)

2024年5月16日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

『オルカン』こと、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、

運用会社が任意に組み入れる会社を選んだり、
除外することはありません。

 

また、国ごとの組み入れ割合を、
運用会社の判断で変更することもありません。

 

なぜなら、
『オルカン』= インデックスファンドですから。

 

 

 

 

 

インデックスファンドは、
『株価指数』に連動するよう、
運用の調整を適宜行うのが仕事で、

アグレッシブに自ら予想して、
銘柄を売ったり買ったりなんてしません。

 

『主』は指数であり、
ファンドそのものは「従」なのです。

 

 

別の言い方をすれば、

「株価指数」こそが、
インデックスファンドという製品の『設計図』である。

といえます。

 

 

 

 

 

さて、
そのオルカンの『設計図』である
MSCI ACWI指数の「銘柄入れ替え」が、5月31日の取引終了後に実施されます。

 

(ACWIとは?
オール・カントリー・ワールド・インデックスの略。)

 

ブルームバーグの記事から拾ってみましょう。

 

MSCI・ACWI、シャープなど日本15銘柄含む121除外-42追加

 

 

「42銘柄」を追加して、
「121銘柄」を除外するというのは
わりと大きな入れ替えになります。

 

以下、英語になりますが、

国ごとの、
「新規組入れ銘柄」と「除外銘柄」の一覧です。

 

 

 

 

画像元:MSCI

 

 

除外銘柄の数が多いのが
日本、中国、アメリカです。

日本は新規組入れ1社(アシックス)、
除外は15社。

※神戸出身者としてはアシックスが入るのは何気に嬉しい。

 

中国は新規組入れ10社、
除外はなんと56社も。

アメリカは新規組入れ4社、
除外は15社。

 

逆に、
除外銘柄より
新規組入れ銘柄の多いのが「インド」。

新規組入れ13社に対し、除外は3社です。
(時代の流れを感じさせます。)

 

 

 

 

 

一点気になったのは、
米国の新規組入れ銘柄の中に
「マイクロストラテジー」があること。

同社はデータ分析ソフトウエアの会社なのですが、

仮想通貨ビットコインを約130億ドル(約2兆円)相当保有していることでも知られています。

(何を評価しての新規組入れなのだろう?)

 

 

 

 

 

『株価指数』(ACWI指数)において、
細かな銘柄入れ替えが実施されると、

『オルカン』が組み入れる株式そのものも、入れ換えられることになります。

 

そう、
『オルカン』保有者のあなたにも影響があるのです。

 

 

そもそも、なのですが、
指数の「算出会社」であるMSCI社は

2月、5月、8月、11月と
四半期ごとに『指数の中身』をチェックし、
銘柄の「入れ替え」を行う機会を設けています。

 

なぜそんなことをするのかって?

 

野菜や魚と同じように、
株価指数にもある程度『鮮度』が求められるためです。

 

 

マーケットは恐怖と欲望が渦巻く一種の有機体であり、

そこに上場する数多の株式も、
「栄えては衰え」「衰えては栄える」を不規則に繰り返します。

 

 

 

 

 

指数の「使命」は、

誰から見ても合理的で、分かりやすい、
『最大公約数化された市場平均』を提供し続けることです。

 

 

仮にあなたがたった一人で、
日本を含む47か国の株式市場をウォッチし、

それぞれの市場に上場する
(おそらく)十万、五十万を超える会社を一つひとつモニタリングしながら、

 

・浮動株数が大きく減った とか、
・売買高が急減した とか、
・監査でゴーイングコンサーンが確認された とか、
・合併・買収が起こった とか、

 

そんな事柄を逐一チェックして、
また業種別(セクター)の比率にも留意して、

 

世界ベースでどの銘柄を除外し、
どの銘柄を新たに組み入れるかを判断するなんて、とてもじゃないですが出来ないですよね。

 

 

 

 

上記を、

定期的に
一定のルールに則って
行ってくれるのが、

MSCI社などの『指数算出会社』なのです。

 

指数が生き物なら、
またインデックスファンドも生き物です。

新陳代謝を繰り返しているのです。

 

 

最後にちょっとマニアックなのですが・・。

 

MSCI ACWI指数 =
MSCI日本指数+MSCIコクサイ指数+MSCIエマージングマーケット指数 なのですが、

 

上記「MSCIエマージングマーケット指数」に、
そう遠くない時期に
「ベトナム」が組入れられるのではないかと勝手に想像しています。

あくまで個人の予想ですよ。

 

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