ヒトの歴史は「動く」→「留まる」→「動く」の繰り返し
2024年5月15日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
個人的に思うのですが、
人が目的地なしにぶらぶら「歩く」
「移動する」ことに惹かれるのは、
狩猟採集時代の『動く』の記憶が細部に残っているからでは・・。
原始、ヒトは狩猟採集によって生きていました。
そこから農耕社会に移行し、
「動く」のではなく、
一定地に『留まる』ことになります。
(作物を)「育てる生活」になったのです。
「動く」→「留まる」
農耕生活を続け、
育てたモノを貯えておく・・、
これがすなわち『貯蓄』の源なのですが、
貯えの量が増えれば、
来月、来年の見通しがより立てやすくなります。
そしてさらに貯えの量が増せば、
土地の改良に取り組んだり、水路を張り巡らしたりと、
未来のための資本投入=「投資」を行うことが可能になります。
「動く」→「留まる」が顕著になって、
数多の人が集落の中で生まれ、
同じ集落の中で死んでいく・・
そんな人生がふつうとなったのです。
時代はうんと下ります。
「鉄」がなり、
「蒸気機関」が発明され、
大きな技術革新とともに
また『動く』の時代がやって来ました。
鉄道も
蒸気船もまさに移動(動く)の象徴です。
『八十日間世界一周』という小説が
発表されたのは1873年のこと。
「動く」→「留まる」→「動く」
ただ、
モノやお金の移動のしやすさに比べて、
私たちヒト(労働者)は
(産業革命が興っても)自分という資産を『時間』で切り売りする存在でした。
ですので、農村から都会へという移動はありましたが、
(農民時代とあまり変わらない)
過酷な環境下で暮らしていくしかありませんでした。
「鉄」から「石油」に花形は移行します。
驚異的な経済成長を成し遂げる国がいくつもあらわれ、それらの国々は「先進国」と呼ばれるようになりました。
20世紀半ばになると、
『青春』や『反抗期』という概念が生まれ、
普通のヒトが
圧倒的な豊かさを享受できるようになったのです。
そして
情報通信革命の波がやって来ました。
地理的に「移動」し尽くしたホモサピエンスが、
「インターネット」によって
もうひとつの「空間」(社会)を作り上げようとします。
これから先、
現実空間の『価値』は逓減し、
モノ・サービスの交易に占める
サイバー空間(社会)の比率が増していくでしょう。
ネット空間上で仕事をし、
ネット空間上で余暇を満喫し、
ネット空間上で、学習や旅行や同棲や冒険や物語を体感する人が増えてくるのです。
ヒトは再び、
サイバー空間に「留まる」生き物となります。
「動く」→「留まる」→「動く」→「留まる」
ここ(Virtual Reality)は
もうひとつの『世の中』になり、
やがてリアルな社会を凌駕するかもしれません。
時間は果てることがなく、ヒトは進化し続け、
例えば100年後、思いつく限りの需要は掘り尽くされ、AIを権威と仰ぐ思想にも飽きが来たときに、ヒトはまた「動き出す」のかもしれません。
そのとき舞台は『宇宙』なのでしょう。
アマゾンの前CEOのジェフ・ベゾス氏が
「宇宙コロニー」について語った記事があります。
「それほど遠くない未来には、
現在地球上で行われている多くのことを
宇宙で行うことが容易になるでしょう。
我々は地球を離れなくてはいけなくなります。
人間が地球を離れ、地球はより良くなるのです」
ヒトはその時、
「動く」→「留まる」→「動く」→「留まる」→「動く」
にまた舵を切るわけです。
もうお分かりでしょうか。
人類の歴史においては、
「動く」→「留まる」→「動く」→「留まる」→「動く」
→ のときに、
投資のビックチャンスが訪れるのです。
カテゴリ:投資の発想法