退職金をどうする?(運用状況によって3つのパターンに分かれます)
2024年5月12日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
『退職金』は、
長年働かれたあなたへのご褒美です。
これを目標にがんばってきたわけですから、退職金の受取りは大いなる達成感につながるでしょう。
ところで
この退職金を、
あなたの資産管理に「どう用いるのか?」は、
あなたの運用状況、総資産の状況によって大きく3つに分かれます。
退職金を受け取って、
間もなくセカンドライフがスタートする・・
仕事を辞めたあとの生活では
現役時代と比べて、
リスクに対する『感応度』が違ってくる可能性があります。
仮に株式ファンドが「25%下落した!」としても、
50歳でバリバリ働いているときと、
70歳で悠々自適に過ごしているときでは、その『感じ方』が異なります。
セカンドライフでは
誰もが自分の資産を頼りに、
それを運用しながら『取り崩す』生活になるわけですから、
大きく冒険するのではなく、
「適度」にリスクテイクし、
「適度」に安全性を確保する、
少し『守り』を意識した姿勢が求められます。
ただ『守り』と云っても、
安全資産(預金等):リスク資産(投信)= 8:2 とかにするわけではありません。
人生時間は年々長くなっていますから、
当クリニックが推奨するのは
安全資産(預金など):リスク資産(投信)= 5:5 です。
『具体例』を挙げていきましょう。
手元の安全資産(預金)「400万円」
リスク資産「5000万円」程度で運用を積極的に行ってきた山本さん(仮名)
このたび退職金2000万円を受け取られます。
山本さんの場合、
退職金はすべて「安全資産」として
そのまま確保しましょう。
それにプラスして、
老後が始まるまでに
リスク資産を1000万円分『解約』すれば、
安全資産 3400万円
リスク資産 4000万円
となり、悪くないバランスになります。
セカンドライフは
なかなか終わらない歌と同じで、
「もうそろそろかな・・」と思っても、
そこから13年くらい続く可能性もあります。
あなたの印象よりもうんと長いのです。
だからこそ、
「アクセル」は緩めますが、
投資という名のクルマには
『乗り続ける覚悟』が必要でしょう。
安全資産:リスク資産 = 50:50 を維持してきた人。
具体例)
加藤さん(仮名)は間もなく
退職金2000万円を受け取ります。
ずっと
安全資産(預金):リスク資産(投信)= 5:5 を維持してきた加藤さんですから、
退職金も、
半分は『預金』に、半分は『投資信託』の買い付けに回すことになります。
ココが、難しいかも・・。
実際、
エイヤーと「一度に」1000万円分投資信託を買うにはちょっと勇気が要ります(というか、ストレスを伴う可能性が大でしょう)
ということは?
20万円×50ヵ月のように『拡大つみたて』する?
賛成です。
50ヵ月とはおよそ4年ですから、
もしも働かない場合は?
1000万円分一括で
ファンドを買い付けるのも私は「アリ」だと思います。
加藤さんのケースですと、
預金(安全資産)も1000万円分、積み増すわけです。
別に投資信託を買い増したとしても、
(今までより)果敢にリスクを取りに行くわけでもありません。
5:5 は変わらないわけですから。
(ところで、)リタイアしたあとの加藤さんは、
毎年、預金:投資信託 = 5:5 を維持しながら、生活費として『足りないお金』を、
預金からも、
投資信託からも
バランスよく取り崩します。
より具体的に言えば、
ファンド価格が大きく下がった年は、
(5:5 を維持するために)
自然とファンドの売却は発生しません。
逆に
ファンド価格が大きく上がった年は、
(5:5 を維持するため)
ファンドを多めに売却することになります。
最後に、
住宅ローン等が残っている場合は、
まずは退職金を用いて負債をゼロにしましょう。
もしも残金がある場合は、
そのお金で、
自身が求める
安全資産:リスク資産の『比率』になるよう、預金を積み増し、あるいは投資信託を購入することになります。
くれぐれも退職金を『特別なお金』と思い過ぎないように・・。
カテゴリ:リタイアメント・資産の取り崩し