(下)定年退職に向けた心の準備とは?(60歳のあなたが19歳のあなたに出会い直すこと)
2024年5月6日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
当たり前ですが
定年退職するなんて「初めて」の出来事です。
どぎまぎしたり、困惑したりして当然でしょう。
わたしは職業柄、お客様に
としばしば伺います。
すると多くの人が、
とおっしゃられます。
振り返れば、
今まで、
家庭に、仕事に、周りのことに
懸命に走り続けてきたあなたです。
急に、
周りの「環境」が変わって、
「時間」が出来たからといって、
ハイ、素の自分に戻ったので、
これからは
○○や□□を趣味にしよう。
とか、
とりあえず
▽▽と○○に旅行いこう。
とか、
○○の会に入って、
月1回御茶ノ水での定例会に参加しよう。
とか、
23歳の新入社員みたいに
無邪気に行動できるわけでもありません。
特にリタイアしたての頃は、
『ヒマ耐性』があまり高くないので、
いろいろとやるべき事を入れてしまいがちではないでしょうか。
なんといいますか、
周りに対して
『充実』を装いがちになってしまうのです。
もちろん、
現役時代から
仕事や家庭以外の『外の世界』に
コミットし続けている人はそれでOKでしょう。
家でも会社でもない「サードプレイス」、
―落ち着き楽しめる第三の場所、コト―
をすでに持っている人は、
定年退職後、
それを大いに押し広げていきましょう。
でも、そうでない人は?
が普通なのです。
今、
「素の自分に戻る・・」と書きましたが、
もしかすると、
わたしも
あなたも、
『素の自分』なんておおかた見失っているのかもしれません。
あなたは、
会社員としてではない、
父親や母親としてでもない、
誰かのパートナーとしてでもなく、
誰かの娘や息子としてでもなく、
真の意味で
『素の自分』というものを、
掘り下げてみたことがありますか?
もしかすると、
あなたが
老後に向けてするべきことは、
○○してみよう。とか、
□□に旅行しよう。とか、
『外の世界』へのコミットではなく、
『あなた自身』を掘り下げる旅に出ることではないでしょうか。
わたしは少しトライしてみたことがあります。
人生でもっとも多感な時、
自分が、
自分の思いに押しつぶされそうになる時って、総じて20歳前後ではないでしょうか。
20歳前後に至る
中学、高校時代や、
20歳前後を内包する
浪人時代や大学時代や、
そのころ、
友だちと語っていたこと、話の内容、周りの景色、流行っていた歌、観に行った映画、それらを思い返してみるのです。
個人的には「歌」が最適だと思います。
わたしは友だちの名前から、
自分のふるさとの町や、
校区の町名、通り名を、実際に書き出してみたことがあります。
最寄り駅から
かつて通っていた学校まで歩いてみたりもしました。
その頃の思い出を
一つひとつ拾い集めてみると、
□□になるって言ってたっけ。
という
微笑ましい『自分』を発見する人もいることでしょう。
しかし中には、
鬱屈とした、煮え切らない思いを「発見」する人もいるのでは?
何を隠そう、わたしがそうです(笑)
あの頃は・・・、
・何かと斜に構えて、ひとつの物事に突き進めなかった
・ほんとうはやりたいことがあったのに、ヘンに理由を付けてやらなかった
・人目を気にして言うべきことを、言わなかった(言えなかった)
・親や友だちが言う方向に従って、なんとなく進んでしまった
どこか『歯がゆい思い』が、
胸の奥に残っていたりします。
ですので、
以前こんなツイートをしたことがありました。
人生の半分は後悔で出来ている。
— カン・チュンド@インデックス投資アドバイザー🙋♂️ (@4649kang) January 11, 2024
人生のもう半分は
そこから学んだ信念で出来ている。
これはワタシの本音です。
あなたはどうですか?
「セカンドライフ」では、
もしあなたが望めば、
自分の『棚卸し』を始めることが出来ます。
もはや「小社会集団」には属していないので、なんの束縛もありません。
自由なのです。
そして、棚卸しをする中でひとつのことに気付かれるかもしれません。
それは、
19歳の頃のあなたと、
60歳のあなたが確かに『つながっている』という事実です。
当時、
あなたはだれかに電話をしていませんでしたか。
あるいは、
誰かに手紙を書いたりしませんでしたか。
手紙を書こうとして、
途中であきらめたり。
書いたのは書いたけど、
結局投函できなかったとか。
『素の自分』が見え隠れしていたはずです。
一度、思い出してみてあげてください。
この部分を思い出せるのは世界中であなたしかいません。
わたし自身がそうでしたが、
若い頃は自分を制御することが苦手で、
・否定されたくない
・恥ずかしい思いをしたくない
みたいな表層意識に負けて、
「うぶな気持ち」(素の自分)を、
無意識に葬り去ってしまった過去があります。
もしも、あなたにもそういう部分があったのなら、
『再発見』してあげましょう。
・斜に構えて、ひとつの事に突き進めなかった「自分」を、
・ほんとうはやりたいことがあったのに、ヘンに理由を付けてやらなかった「自分」を、
・人目を気にして言うべきことを、言えなかった「自分」を、
解放してあげるのです。
定年退職後、第二の人生で行えることです。
人間、いつかは死んでしまいますが、
生きている間に、
「自分をしっかり見つめてあげられた。」という、まあまあの『納得感』が得られれば、
それは人生を通じての充足につながるのではないでしょうか。
セカンドライフでやるべきことは、
外の世界に無理してコミットすることではなく、自分自身を再発見することです。
わたしも頑張ります。
カテゴリ:100年ライフプラン