インデックス投資全般, 経済よもやま話

為替レートの変動の大きさと、株式市場の伸びの大きさは切り分けて捉えよう

2024年4月29日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

試練といえば
試練かもしれません。

 

「為替レート」が急激に動くと、
リスクを取って投資を行う私たちはまさに、
『リスクが現出している』と実感します。

 

 

 

 

 

特に、
海外株式のファンドに毎月「積立投資」をしている私たちは、

なんだか日々弱くなる「円」で懸命にお金を集めて『外国の株式』を買っているような感じになります。

 

いっぽうで、
今まで積み上がった海外株式ファンドの「評価額」は、魔法の箱に入った品のように時価が毎日上がったりします。

 

 

要は・・?

(為替レートの変動は)
良いも・悪いも引き起こすものなのです。

 

 

一点注意が必要なのは、

 

為替レートの変動と、
株式市場のパフォーマンスは、
まったく別の事象なので、
しっかり分けて捉えることでしょう。

 

 

両者は、
根本的な動き方(変動のしかた)が異なります。

 

 

 

 

 

『株式市場』は、
原始、ほとんどゼロの状態からスタートして、
アップダウンは繰り返しつつも、

超長期では『右肩上がり』です。

 

つまり、
一方向の「ベクトル」に進み続けるわけです。

 

 

翻って『為替レート』はどうでしょう?

 

株式市場と同様アップダウンは繰り返しています。

その変動幅も、
ときに(株式市場に負けない位)大きくなります。

 

が、しかし、

 

『自国の通貨』が
ずっと右肩上がりで、上昇し続けて・・ということはあり得ません。

 

レートの対象となる「相手通貨」が存在するため。

 

 

同様に、

 

『自国の通貨』が
ずっと右肩下がりで、下落し続ける・・ということもあり得ません。

 

 

 

 

 

 

為替レートの変化とは、
大きなレンジの中で「上下運動」を不規則に繰り返す現象。
それに対して株式市場の変化とは、
長い目で見ると「右肩上昇運動」を続ける現象です。

 

違いますよね?

 

 

このように、
両者の基本的「性格」が異なるため、

この先「極端な円安」が進んでも、
「ワタシは株式市場に投資をしているの!」と自分に言い聞かせる必要があります。

 

 

為替レートの変動のせいで、
株式への投資を躊躇してしまうのは、

雨が降ったから、
デートに行くのをやめるようなもので、(実は)「ちぐはぐな行い」なのです。

 

 

以下に、
私たちにとって甚だ都合の悪い【具体例】を挙げてみます。

 

〇 S&P500のインデックスファンドに、
超円安時に
一括投資していたら、という具体例です。

 

 

 

 

 

<アメリカのS&P500指数>

1972年1月 789ポイント ←この時買う
2020年4月 3547ポイント ←この時売る

 

成績は?「約4.5倍」でした(ドル建てベース)

 

ところが、為替の動向は・・?

 

<ドル・円レート>

1972年1月   1ドル312.5円 ←この時買う
2020年4月   1ドル107.5円 ←この時売る

成績は・・?「約0.34倍」

 

 

 

 

 

円ベースで上記の投資を清算すると、

「約4.5倍」×「約0.34倍」=「約1.53倍」

 

フム。

これでもちゃんと「プラスの成績」になっています。

 

 

上記は一括投資の例ですが、

毎月「つみたて」で投資を行っていれば、
S&P500が下落した局面でも、しっかり安値購入=口数を稼ぐ。ができたはずです。

 

また、為替レートで見ても、
つみたて投資なら、ドルがより下落(円が上昇)した局面でも、しっかり「購買力増強」ができたはずです。

 

 

〇 為替レートの変動と、
〇 株式市場のパフォーマンスは、

まったく別の事象なので、
くれぐれも振り回されないようにしましょう。

 

 

 

 

 

最後に、
円安が進む局面では『ワーホリ』で
海外出稼ぎするチャンスかもしれません。

 

こちらのページ(ワーキングホリデー協定国)では、27カ国のワーホリ協定国が紹介されています。

 

カンさん。
わたしももっと若かったらワーホリに行ってたわ!

 

はい。

でも私たちは
自分の代わりに、お金をワーホリに行かせられますよ。

『オルカン』は日本以外の46カ国に投資を行っています。

 

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