40数年で9回の『弱気相場』を経験している世界株式への投資は、立派にハイリスクです
2024年4月26日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
アクティブ運用とインデックス運用は、
投資スタイルは違えど、
双方とも「株式のファンド」であれば、
株式のリスクを負うことに変わりはありません。
『株式インデックスファンド』を指して、
アクティブ運用の株式ファンドに比べると、
「安全だ」「確実だ」という言い方をする人がいますが、それは正しくありません。
株式のアクティブファンドも、
株式のインデックスファンドも、
投資対象が『株式』である限り、
時にジェットコースターのように価格が上下する = 安全ではない点ではまったく同じなのです。
今から、
世界の株式市場『全体』を例に挙げます。
あなたは国・地域の分散、
銘柄の分散を心掛け、
1980年から1987年末までは、
日本を含む「先進国株式市場」全体(MSCI World)に、
また1988年以降は
日本を含む「世界の株式市場」全体(MSCI ACWI)に投資をし続けた人です。
いったい『何回』ベアマーケットに遭遇したのでしょうか?
答え「9回」
画像元:Vanguard
上記図表が掲載されているバンガード社のコラム
『Discipline may be your best defense in market downturns』では、
ベアマーケット(弱気相場)を明確に『定義』しています。
それは、
・かつそれが2カ月以上続く
です。
正確に記しますと、
2020年の「コロナショック」は上記ベアマーケットには当てはまりません。
(下落相場が2ヵ月は続かなかったため。)
しかしバンガード社は、
コロナショック時の市場下落の影響度を考慮して、ベアマーケットに加えています。
「9回」ベアマーケットを経験している。
この事実は重要でしょう。
もちろん、
過去のマーケットの値動きと、
これから先の市場の動きは『別個の事象』であり、それぞれ独立して捉える必要があります。
それでも、
マーケットの動きを作り出してきたのは
私たち『人間の行動』ですから、
人の本質が大きく変わらない限り、
この先40数年も「同等の浮き沈みを、市場は現出するのではないか・・」と思っておいたほうがよさそうです。
つまり?
つまり、ざっくり10年運用を続けても、
うち2年は 20%超下がってしまう『悪い年』になるという腹づもりです。
それで、ふつうなのです。
上例は、
世界の株式市場全体に分散投資を行ったケースです。
例えば、
米国のみ、
日本のみ、
インドのみ、というふうに、
「投資国」を絞り込めば、
10年運用を続けても、
20%超の下落に見舞われる年は、
(もしかすると)増すかもしれません。
さらに、
市場全体に投資するという手法を放棄して、
特定の国の、
特定の株式、4銘柄、5銘柄に『集中投資』を行うようになれば、
10年運用を続けても、
投資対象が20%超の下落に見舞われる年は、さらに増す可能性が出てきます。
株式のインデックスファンドを持ち続けるだけでも、立派にハイリスクな投資なのです。
肝に銘じて航海を続けてまいりましょう。
カテゴリ:インデックス投資全般