あなたがNISAで変節してしまう姿を私は見たくはありません(1)
2024年4月6日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
NISAが始まって3ヶ月が経過しました。
この「非課税優遇制度」をとことん利用しよう!と、意気込んでいる人も多いと思います。
でも少しだけ待ってください。
ことNISA制度に関しては
四方八方から
文字通り『情報』が溢れ出しています。
よく「情報に踊らされる」という言い方をしますね。
どちらかというと
NISA情報には偏りがあり、
ものごとのある方面だけが
過剰にクローズアップされているきらいがあります。
具体的に見ていきましょう。
NISAの『光の部分』は
投資枠1800万円、非課税が無期限化。です。
しかし、いっぽうで
NISAには【影の部分】もあります。
よく拝見する「ななしさん」のブログに
次のような一節がありました。
引用させていただきます。
管理人の考えとしては、
新NISAは非課税枠がデカいので悩むんだと思います。
一番オトクに使いたい
もっと儲けたい
自分だけ勝ちたい
だって非課税枠が1800万円もあるから。
ここらへんが罠なのかも知れませんね。
『新NISAは「つみたてNISA」と同じように使おう』より。
たしかにそうです。
NISAの拡充によって
私たちの『気』が大きくなっている危険があります。
さらにSNSやメディアの情報の波状攻撃が、
私たちの『心持ち』をより大胆にしている可能性もあります。
メディア、SNSで伝えられるNISAに関する心地よい『情報』を拡大解釈してしまうと・・・一体なにが起こるのでしょうか?
以下に列挙してみます。
上記のような考え方が、
『有利じゃね?』
『正解だよね。』と早合点されてしまう恐れがあるのです。
もう一度深呼吸してみましょう。
(投資枠1800万円、非課税が無期限化なのだから、)
1.とにかく早くお金を入金すればよい。
資金に余裕のある人はもちろんOKでしょう。
でもそうではない人は、
まずは「つみたて投資枠」を用いて、
自分が積み立てできる範囲(~月10万円まで)で、無理なく始めればよいのです。
年360万円の入金に固執して、
お手元の現金預金が想定以上に減ってしまい、
(総資産に対する)リスク資産の『比率』が高くなりすぎる、
あるいは、
教育費、住宅購入の準備金などに影響を及ぼすことになれば(まさに)本末転倒でしょう。
2.期待リターンが高い株式ファンドのみで埋めればよい。
いいえ、
そうとは限りません。
S&P500かオルカンかで、
安易にNISA口座で購入する投資信託を決めてしまわないこと!
自分のリスク耐性は、株式100%のファンドを保有するほど高くないと判断すれば、堂々と『バランス型のインデックスファンド』を選びましょう。
今まで泳いだこともない、自分がどれくらい泳げるかを全く知らない人が、いきなりオリンピック競技用プール(50m)に飛び込んだりしないですよね?
(もちろん、リスク耐性が高い人は、
全世界株式型などの株式インデックスファンドでOKです。)
NISAに関する情報を、
断片的に、かつ常習的に取り続けていると、
あなたの『投資のやり方』が
(知らぬ間に)変節してしまう可能性があります。
わたしはそれをもっとも危惧します。
誤解がないように申し添えると、
NISAは魅力的で素晴らしい制度なのですよ。
が、しかし、
あなたの『投資のやり方』に合致する部分でのみ、利用するべきものです。
NISA制度が謳う
投資のやりようの中身に、
あなたの投資をすべて『合わせてしまうと』、
なんでもありの総花状態になり、
あなたの投資スタイルは砂城のようにもろくも崩れ去ってしまいます。
NISAに翻弄され、
あなたの『投資のやり方』が変節することは避けなければなりません。
続く・・)
カテゴリ:NISA活用法