運用管理費用の重み、感じていますか?
2024年4月3日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
都心にお住まいであれば、
「家事代行サービス」を利用したことがあるよ。という人も多いのではないでしょうか。
投資信託とは(言ってみれば、)
『運用代行サービス』のようなものです。
S&P500との連動を目指すインデックスファンドは、大きな袋の中に「500社の米国大型株」を保有しますが、
あなた一人で500社の株式をバランスよく買い付けてそれを維持するなんて不可能ですから、運用の実際を『第三者』に任せるわけです。
ただし、
運用会社に「仕事」をしてもらうと
それなりの『手間賃』を支払う必要があります。
それが運用管理費用(信託報酬)です。
私たちはこの『運用管理費用』を
投資信託を持つ限り
「継続的に」支払っています。
以下、ナザールさんのツイートです。
【30年で支払う累計手数料一覧表】
— ナザール@暴落お兄さん (@investor_Nazal) October 19, 2019
毎月3万円を積み立てて利回り3%で30年運用した場合の支払う手数料の総額を計算してみました。
積立投資は複利効果で資産が増えていきますが、手数料も複利で増えていきます。
0.2%だと30年で44万円、1.2%だと30年で235万円にもなるんです! pic.twitter.com/NMLuZ3hkgP
実は手数料(コスト)って、
資産が増幅するにしたがって、相乗的に増えていくのです。
運用管理費用(信託報酬)が
たとえ年0.5%でも、
積もり積もれば、けっこうな「お金」を支払うことになります。
でも、あなたは昨年、
自分が保有するファンドから
『運用管理費用』をいくら支払ったかなんて実感がありますか?
コナミスポーツクラブに支払う月会費6600円は
会費として別途自分が支払うので、
『コスト負担してるなぁ・・』と感じます。
ところが、
自分が持っている『ファンド資産』から直接差し引かれるので、
自ら負担していると感じにくい・・。
―理想的な手数料の取り方をしています。―
例えば、
楽天証券の「投信管理費用照会」を利用すれば、
あなたが実際、
金額ベースでいくらの運用管理費用を支払ったかを確認できます。
画像元:楽天証券
よく、
「運用管理費用って年1回徴収されるのですね」と聞かれるのですが、それは残念ながら間違いです。
実際は(日本株式ファンドの場合、)
運用管理費用「年0.5%」のファンドなら、
365日で割って、
毎日毎日午後7時くらいに、
その日「一日分」の運用管理費用が
超薄切りのスライスチーズみたいに差し引かれています。
そして、
その日「一日分」の運用管理費用を徴収したあとに、
その日の投資信託の『基準価額』が決定するのです。
ホントです。
投資信託の運用管理費用は
ファンドが儲かっても損して、変わらず「パーセント」で差し引かれます。
たとえば、
1年間のファンドの名目リターンが「プラス8%」あった年は、
運用管理費用で「年1%」払っても
あなたの「実績リターン」は+7%ですから、悪くはありません。
ところが、
1年間のファンドの名目リターンが「マイナス10%」だった年は、そこから運用管理費用「年1%」を支払うため、
あなたの「実績リターン」はマイナス11%になってしまいます。
山崎元さんがよく言われていました。
投資信託の手数料は
「確実なマイナスリターンだ」と。
リスク資産を保有するとは、
手数料(コスト負担)と付き合い続けるということ。
超低コストのインデックスファンドがラインナップされたことは、個人投資家にとって大いなる『福音』なのです。
カテゴリ:インデックス投資全般, 投資信託あれこれ