新NISA、思い込み、勘違い、忘れがち集
2024年3月19日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
新NISAが始まって
もうすぐ3ヶ月になりますが、
さまざまな思い込み、
勘違い、忘れがちな事実が、
当クリニックにも舞い込んでいます。
はい、そうなのです。
旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)で
積立をしていた人で、
お仕事・ご家庭で忙しく、
新NISAの制度概要に
なかなか付いていけなかった人は、
もうビックリ仰天されるケースがあります。
まず、
何の手続きもしていないのに、
「新NISA口座」が勝手に開設されて驚き、
次いで、
何の手続きもしていないのに、
勝手に
「新NISA」で買付けがなされて驚き、というケースです。
そうなのです。
○○ファンドを6万円積み立てていた人は、
○○ファンドが(勝手に)6万円積み立てられてしまいます。
いっぽう、
△△ファンドを3万円積み立てていた人は、
△△ファンドが(勝手に)3万円積み立てられているはず。
上記の措置は、実はどのネット証券でも同じであります。
あなたは改めて、
新NISAで
「どのファンドを」
「どれくらいの金額ベースで積み立てたいかを」
自分自身で設定し直す必要があります。
残念ながら(それは)出来ません。
スミマセン。
つみたてNISAは
20年の非課税期間があるので、
「そのまま放置しておく」が
ベストアンサーだと思います。
難しいのは、一般NISAのほうでしょう。
非課税期間が5年しかなく、
放っておけば、
すべて『特定口座(課税口座)』に移行するため、
・一般NISAで保有する投資商品が
ずっと持ち続けたいモノで、
・一般NISAで保有する商品を
売却し、乗り換えをしなくても
新NISAの枠が埋まりそうなら、
特定口座に移ったあとも、
そのまま『持ち続ける』のもアリでしょう。
ただし、
持ち続けたいモノではなく、
新NISAの枠がより早く埋まりそうなら、
非課税期間の5年内で
順次売却していくのがベストだと思います。
半分当たっていて、半分外れています。
たしかに、
個別株式やETFやREITなど
「成長投資枠」でしか買えないモノもあります。
しかし、
高度な分散に重きを置いたスタンダードな長期投資を目指すなら、
NISAで投資する商品は「つみたて投資枠」でラインナップされている投資信託の中からのみ選んで、まったく問題はありません。
非課税という魅力にあふれ、
商品の選択肢が「何千と」多岐に渡ることで、
逆にあなたに合った『商品』が選び切れなくなり、
あなたの『投資スタイル』が崩れていくリスクが生じるのです。
シンプル イズ ベスト
つみたて投資枠と成長投資枠という
『ふたつの入口』が用意されているため、
両者は「違う制度」と勘違いされがちですが、
大事なことなので、もう一度言います。
「つみたて投資枠」で買える投資信託はすべて「成長投資枠」でも買えます。
ですので、
成長投資枠でしか買えないモノも
ちょっと買っておいたほうがよいのでは?
と思うのではなく、
同じ投資信託(インデックスファンド)を1つ買っておけばいいんだ。と割り切る心が大切です。
両枠で同じ投資信託を1つ買っておけばいい。という点に合点がいきました。
新NISAはざっくり「ひとつの勘定」で管理されるということ?
これがまた、違うのです。
スミマセン。
1つのインデックスファンドを選んだとしても、
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」はあくまで別勘定です。
例えば、です。
両枠とも『オルカン』を選んだとしても、
仮に成長投資枠では年初に200万円ポンっと買い付け、
つみたて投資枠では月10万円の積立を選んでいれば、
それぞれの枠で「損益の数字」は違ってきます。
また「投資枠の復活」がしばしば話題に上りますが、
成長投資枠の『オルカン』を売った場合は、
投資枠の復活(元本相当部分のみ)は「成長投資枠」のみです。
同様に、
つみたて投資枠の『オルカン』を売った場合は、
投資枠の復活(元本相当部分のみ)は「つみたて投資枠」のみとなります。
でも、当面は
投資枠の復活とかを気にするのではなく、
粛々とNISAにお金を入金することだけを心掛けましょう。
カテゴリ:NISA活用法