お金があるあなたが、お金の有り難みを子どもに伝えられますか?
2024年3月17日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
妻が今ダイエットにチャレンジしているのですが、週に1回『絶食の日』があります。
妻いわく、
絶食の次の日に食するものの「味わい」が
ふだんとは違うそうです。
野菜にしろハムにしろ
味噌汁にしろ、
味覚がより敏感になって、
素材ほんらいの「味」が妙味を増すのだそう。
食べ物と
お金(財)を一緒にすると
叱られるかもしれませんが、
一体どこからやって来るのでしょうか。
わたしはお金(財)の「欠乏感」が
お金の有り難みにつながっていると思います。
お金が十分にない・・
お金(財)が欠けている・・
「お金について何とかしないと!」という
インセンティブにつながるのではないでしょうか。
誤解がないように申し添えると、
上記は
「お金がないほうがよい。」
という意味では決してありません。
お金に対して、
何かしら欠けている部分を認識できるほうが、
お金についてより知ろうとするし、
蓄財や運用についても、
より「自分ごと」として積極的になれるのでは、という意味なのです。
本日のお話には伏線があります。
穂高 唯希 さんのこちらのブログ記事です。
[【株=危ない?】株式投資を子供にすすめたい、どう導入するか]
色々な人と接した結果として至った私の考えでは、金銭的に満たされたお子さんというのは、お金に興味を持ちにくいと思います。
まさにそうだと思います。
お金について『欠ける部分』がないと、お金についてもっと知りたい!という思いが募りにくいのでしょう。
仮に、ですが、
あなた自身(親)は
すでに潤沢な資産を有しているとします。
新幹線ではグリーン車に乗って移動します。
すると、
お子さんもグリーン車に乗ることに。
でも、この状態に
お子さん自身が慣れてしまうと、
グリーン車=「上がり」を
最初に経験してしまうため、
少なくとも
新幹線での移動に関しては、
段階を踏んで上っていくプロセスを、
本人自身は経験することが出来ません。
『裕福』であることは、
もしかすると、
有り難みをもって
お金を積極的に生かそうとする「動機付け」において、ハンディを負うことなのかもしれません。
以下あくまで事例に過ぎませんが、
端的に言って、
10代の頃から
資産が3億円相当あるというのは大変なことです。
第一、自分の資産ではないですし、
これを減らすというのは
何となく許されないような気がしますし、
かといって、
無理やり増やすとか、
何かに積極的に用いるというインセンティブも起こりにくいわけです。
わたしはある相談者さまに伺ったことがありますが、
この種の、
親や祖父母から引き継いだ資産は
「宙ぶらりんのお金」という意識になるのだそう。
『本題』に戻りましょう。
あなたのお子さんは、
・自分が住んでいる家、住んでいる場所
・親の職業
・親が乗っているクルマ、
親が所有する生活用品などを通じて、
親の「経済的ステイタス」を
敏感に感じ取っています。
何かしら『欠けている部分』があったほうが、お金についてより知ろうとする。と先述しました。
ところが実際には、
「欠ける部分がない」親が、
「欠けている部分」を意識させ、
それを醸成していく・・という『難題』が待ち構えるのです。
むずかしい・・。
上述の穂高さんはこう言います。
お子さんの欲しがるものを軒並み与え、
経済的に不自由させないというのは、
子を想う親心として大変理解できるのですが、
お金に興味を持たせるという意味では好ましいとは限らないと思います。
わたしもそう思います。
さらに引用します。
お金に興味を持ってもらう
↓
お金を増やすにはどうしたらいいのか疑問を持つ
↓
そこで初めて株式等による運用を示す局面
上記『お金を増やすにはどうしたらいいのか』を、
子どもに
「自分ごと」として認識してもらうためには、
自分のお金・自分の財産状況は
これは一筋縄ではいきません・・。
それでも、
人の振る舞いかた、考えかたの醸成は、時間をかけてゆっくりゆっくり行われるものです。
小さい頃からよい意味での「欠けている感」(渇望感)を、あなた自身(親)が醸し出してあげる必要があるのではないでしょうか。
カテゴリ:お金の摩訶不思議