インデックスファンド VS. 高配当株ETF
2024年3月6日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
同床異夢、という言葉があります。
「インデックスファンド、
それとも高配当株ETFがいい?」という設問があると、
決まってわたしはこの言葉を思い出します。
高配当株ETFは、
同じ場所にいるのに、
違う夢(考え方)を抱いている・・。
ズバリ申し上げると、
『資産』を増やしたい人です。
他方、
『収入』を増やしたい人です。
ただ、
同床異夢ではありますが、
両者の『投資姿勢』はまったく同じ。
1.「長期保有」である点でしょう。
以下、世界株式という『投資対象』で捉えてみます。
世界株式インデックスファンドと、
高配当世界株式ETFという商品を比較すると、
インデックスファンドの中から、
高配当の株式に集約したものが
高配当世界株ETFであり、
両者とも
中身は異なりますが、
立派に「市場平均」を形成しています。
でも、高配当世界株ETFは、
今の
あなたの生活を満たすことが目的です。
『収入』(配当)が目当てですから。
いっぽう、
分配金なしの世界株式インデックスファンドは、
今の
あなたの生活はぜんぜん満たしてくれません。
『収入』ゼロ、ですから。
ではどうして
インデックスファンドのほうは、
「今、(収入は)要らない」と言っているのでしょう。
今、収入をもらわないほうが、
ファンドの外に吐き出さず、
ファンド内部で効果的に再投資ができ、
結果としてファンド資産がより成長しやすくなる。
と考えるからです。
インデックスファンド保有者は将来を見ている?
YESでしょう。
高配当株ETF保有者は今を見ている?
YESだと思います。
でも両者とも『長期保有』をテーゼとします。
よーく考えてみますと、
人は年を取りますから、
(投資を行っていても)
いつかは必ず『収入』が要ります。
ココ、きちんと記しておきましょう。
世界株式イ・ファンドも、
高配当世界株ETFも、
そのゴールはまったく同じなのです。
2.「定期収入」を得ること。
「分かったカンさん。
若いうちは、
『資産』を増やすために、
世界株式のインデックスファンドに投資して、
リタイアする前に、
世界株式インデックスファンドから、
高配当世界株ETFに「乗り換えれば」、
『資産』を増やすから、
『収入』を増やす姿勢にすんなりチェンジできるじゃん。」
あっ、はい、
それもひとつのオプションでしょう。
「えっ、じゃあ、
もうひとつのオプションは?」
世界株式イ・ファンドの形で持ち続けて、
えっ?
上記「解約する」の部分に
抵抗を感じる人もいるかもしれません。
なにかしら、
自分が築いてきた資産を『削る』ような感覚になるためです。
だったら解約していくより、
高配当株ETFで『収入』をもらってるほうが気がラクだよ。
(気持ちはよーく分かります)
わたしは
リタイア後の
高配当株ETFという形での資産の持ち方を全否定する者ではありません。
ただ、ひとつだけ確かなことがあって、
それは、
高配当株ETFを保有すること。
NISA口座では?
成長投資枠でしかETFは買えません。
分配金そのものは非課税になりますが、
それをETF本体に再投資しようとすると、
新たな投資元本としてカウントされてしまいます。
長く高配当株ETFを保有してきた人で、
結局、
『収入』(分配金)は
口座にせっせと積み上がっていっただけ。という人を、
わたしは20人以上知っています。
キャッシュポジションの増加です。
これはもったいないかもしれません。
カテゴリ:インデックス投資全般