インデックスファンドは『一強』になりやすい?
2024年2月26日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
わたしは知らなかったのですが、
「マネーフォワード全世界株式インデックスファンド」という投資信託があるのですね。
昨年1月の設定で、
つい先々週(2月15日)に名称変更して
「マネーフォワード全世界株式インデックスファンド」になりました。
当該ファンドは
(月次レポートを見ると)
内部で保有するETFのコストを含め、
実質的な運用管理用は年0.297%です。
正直、現在の超低コストの
インデックスファンド・ラインナップから見るとやや高めです。
(実は当該ファンドの運用会社は
株式会社sustenキャピタル・マネジメントであり、
同社は『SUSTEN』と呼ばれる、
ロボアド運用(投資一任契約による)を行っていて、
その構成ポートフォリオのひとつが
マネーフォワード全世界株式インデックスファンドなのです。)
ついでに、ですが、
当ファンドに対する私の評価は「低い」です。
なぜなら月次レポートを見る限り、
まだ運用を開始して1年余りなのに、
ベンチマーク(MSCI ACWI指数)とファンドの騰落率の乖離が大きくなってしまっているためです。
ところで、
主な「全世界株式インデックスファンド群」を
NewsPicksさんがピックアップしてくれています。
画像元:NewsPicks「オルカン大研究」
本家『オルカン』の存在感は圧倒的でしょう。
2月22日現在、
純資産額は2兆5000億円を超えています。
対して、
たとえば
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)は、
運用管理費用は
オルカンと同等の年0.05775%ながら、
2月22日現在、純資産額は29億円ほどしかありません。
また、たわらノーロード 全世界株式は
運用管理費用 年率0.1133%で、純資産額は約210億円。
オルカンより早く設定された
SBI・全世界株式インデックス・ファンドでも、
純資産額は1679億円(1月31日現在)です。
マーケットシェアで見た場合、
残酷で明瞭な結果になるケースが多いのです。
それが『一強』です。
仮に10本の
全世界株式インデックスファンドがあったなら、
『一強九弱』という、
ややあおり気味な形容すら可能かもしれません。
電気掃除機や、
冷凍食品や
自動車の世界では、
コスト(価格)が似通っている、
性能も僅差という場合、
マーケットのシェアは(良い意味で)適度にばらけるはずです。
ところがインデックスファンドは?
コスト、性能が似通っていても、
頭一つ抜け出した、
資金流入において
圧倒的な量(金額)を獲得したファンドが、
さらに『一強』ぶりを発揮することがあります。
インデックスファンドでは規模(純資産額)がものを言い、規模がさらなる資金流入、さらなるコスト低下の期待を醸成します。
画像元:NewsPicks「オルカン大研究」
この10本の中で10年後、
繰り上げ償還の憂き目にあっているファンドが1、2本(あるいは3本)あっても不思議ではないと思います。
インデックスファンドの競争は
他産業と比べても熾烈を極めるのです。
カテゴリ:インデックス投資全般