【パート2】上昇相場が続くと頭の隅っこがソワソワしてくる・・(それ分かります)
2024年2月23日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
人の心の動きを深掘りすると、
興味深い特徴があることが分かります。
あなたの投資成績がプラス「1000万円」になりました。
あなたの投資成績がマイナス「1000万円」になりました。
同じ1000万円であるのに、
私たちは『損失』を
「利益」の2倍くらいの重さで感じてしまうようです。
ここから類推するに、
例えば先月まで「プラス1000万円」程あった利益が、
「プラス900万円」とか
「プラス800万円」になってしまいそうな刹那に、
私たちは是が非でも
利益を確保しておきたいという感情に襲われることがあるのです。
※今、株式市場が好調であるために、
あえてこの種のお話をしています。
ファンド価格が上昇し続け、
心の中でソワソワ感が醸成されると、
〇『含み益の分だけファンドを売ろう』という気持ちが高まって、
実際、
半分だけファンドを売る。
含み益分だけファンドを売る と、
利益を実現できた(何ともいえない)『安堵感』に包まれたりもします。
よっしゃ、と。
でも、
その高揚感もやがて過ぎ去って、
(実際ファンドを売却すると)
現金の形で「お金」が戻ってくるわけです。
さて、
このお金、どうしますか?
カンさん。そのお金でまた積立投資しますよ。
と仰る人もいます。
あるいは、
カンさん。
次の暴落が来たとき用にお金は待機させておきます。
と宣言される人も・・。
あなたなら、どうされますか?
今は上がり過ぎなので、
いったん売却して、
そのお金は今後、
下がり過ぎになった時(つまり暴落が起こった時)にまた出動させます・・・
なるほど、一見理に適いそうな考え方です。
でも、
仮に次の暴落が
『6年と10か月後』だったとしたら・・
あるいは、
万一暴落が来なかったとしたら・・。
ファンドを売却して
戻ってきた『お金』は・・宙ぶらりんになってしまいますね。
例えば、ファンドを500万円のみ売却して、
そのあと積立投資を、
例えば、10万円×50ヵ月 のようなイメージで再開した途上でも、
(ファンドを売却する前より)
リスク資産は減ってしまっているわけです。
これって『機会損失』になりませんか?
1円でも多く投資の『元本』を積み上げることが、財産形成の王道です。
一部でもファンドを売却すれば、
『投資元本』がその分減ってしまいます。
また、いったんファンドを売却すると、
戻ってきたお金を『いつ・また・投資するのか?』という、別の課題を抱えることになってしまいます。
投資って難しいですね。
上がり過ぎかな?という状況でも、
積立投資を止めない・・
下がり過ぎかな?という状況でも
ファンドを売却しない・・
この『現状維持・決断』は、口で言うほど簡単ではありません。
また、傍から見ると、消去法的チョイスと見られがちです。
正直、長く投資を続けていると、
『違和感』の連続です。
投資で行った仕事量に比べて、
不自然にリターンが高かったり、
頑張って投資したエネルギー量に比べて、
ぜんぜんリターンが低かったり、
何なら『マイナスのリターン』に、8ヵ月も16ヵ月も沈みっぱなしだったり・・。
適度に資産が増えて、
あなた自身も納得して、
また適度に増えて、
あなた自身も納得して、みたいな、
適温の、心地よい「自然な道程」なんて、
投資ではあんまりないんじゃないでしょうか・・。
インデックスファンドをコツコツ積み立てるシンプル投資は、しばしば「放ったらかし」と揶揄されますが、
上記のようなマーケットの『不条理さ』と付き合い続ける報酬として、プラスのリターンは存在するのだとわたしは思います。
カテゴリ:投資家の感情リスク