間もなく60歳を迎えるあなたへ(降りるを学ぶ時期なのかもしれません)
2024年2月11日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
あなたは間もなく60歳です。
(出川哲朗さんもそうなのだそう。)
60歳になっても、
お勤めの会社では「再雇用制度」があり、
多くの人は65歳まで働いているし、
(公的年金も65歳からの支給だし、)
「ワタシも取りあえず65歳まで働こう。」
そう思っていませんか?
もちろん、
それでも全然構わないのですよ。
でも、
ちょっとだけ恐縮です・・、
上の『取りあえず』というおことばが、どうしても気になるのです。
むかしは55歳定年でした。
みな55歳まで働きました。
少し前まで60歳定年。
60歳まで働きました。
今は実質65歳定年で、
(なので)65歳まで働きますか?
60歳以後の『再雇用』では、
1年更新の契約である会社が多いと思います。
別に、
62歳で、
(今お勤めの会社から)
降りてもよいのですよ。
2021年からの
改正・高年齢雇用安定法で、
70歳までの就業確保措置が事業主の努力義務となっています。
実際「65歳」がやってきた時に、
(それで、)
70歳まで働けるようになったら、
70歳まで働きますか?
「あなた」が置き去りになっていませんか?
もしもあなたが、
仕事に「生きがい」を求めるタイプの人で、
それこそ、
死の一週間前まで働いていたいという価値観をお持ちなら、「なるだけ長く働こう!」という考え方にわたしは賛同します。
でも、もしそうでないなら・・・、
別に、
途中で「降りても」よいわけです。
あなたの人生ですから。
逆に途中で「降りる」という決断をして、
実際に「降りないと」、
たとえば76歳時点で、
時間 < お金
の状態に気付いたとしても、(それは)もう遅いかもしれません。
これはちょっとしたパラドックスなのですが、
70歳まで
就労の機会を確保してくれそうな会社というのは、
企業年金制度もしっかりしているところが多いです。
また、公的年金も
繰り下げ受給(70歳から)を選択すれば、年金受給額がより増えるわけです。
つまり、
長く働けば働くほど、
時間 < お金
の、
「お金」の部分がより大きくなっていく可能性が高いです。
最期、病院のベッドの上で、
もっと、
自分の好きなように生きれば良かった。
とひとり呟いても、とき遅し、なのでしょう。
60代は『降りる』を学ぶ時期なのかもしれません。
あなたの資産運用も同じです。
倹約をして、
積立投資をして、
資産を積んで積んで、
少しでも増やして・・の『電車』から、
いつかは「降りないと」、
いつまでも増やすマインドに縛られてしまいます。
(そして実際、資産は増えていきます。)
お金の減らし方(後半)
もちろん、
あなたらしいお金の使い方を実践するほうが、
(お金を増やすことより)何倍も難しいのは承知しています。
しかし、これも
『新たな挑戦』ではないでしょうか。
お金の増やし方には一定の「答え」がありますが、
お金の使い方には「答え」がありません。
正直、あなたという人間の器量が試されます。
それに、お金を増やすのは「インプット」ですが、
対してお金を使うのは『アウトプット』です。
お金ってどのように用いるの?
お金はどう使うのか・・?
これはまさに「哲学的要素」を含みます。
そしてまた、『二重人格問題』を孕みます。
そもそも、
あなたがお金を増やしてこれたのは、
倹約を心掛け、
ムダにお金を使わず、
資産を積み上げることに注力してきたからです。
それを、
人生のある時期から、
180度旋回して、
倹約を旨とせず、
大いにお金を用いて、
資産を取り崩し、逆にお金を減らしてもOKだなんて、
ワタシという人格が分裂してしまうわ!!
・・なんとも理不尽です。
でも、
それも『新たなチャレンジ』ではないでしょうか。
お金を意識して使っていく行為は、もう『戸惑い』の連続です。
たとえば
会社を途中で「降りる」ことは、
時間<お金 の状態を、
時間 = お金 に修正することに他なりません。
(今はまだお気づきでないかもしれませんが、)
『時間』とはまさに Preciousです。
上記は
単に「今後の人生時間の長さ」を示すものではありません。
あなたが腰痛にもならず、
緑内障にもならず、
まだまだ長距離歩けて、
そして食欲旺盛で、
耳もよく聴こえ目もよく見え、
10時間のフライトにも耐えられ、
親御さんが健康で、
(従って介護や看護の心配をせずに、)
やりたいことをやれるという『時間』がほんとうに Precious、とても貴重なもの、という意味です。
1週間経てば、1週間分、時間は(人生の中で)減じていきます。
当クリニックでは
多くの人が65歳を待たずに「仕事人生」にサヨナラされています。
そのお姿を見て、わたし自身、とても羨ましく思うのです。
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カテゴリ:100年ライフプラン