投資の発想法

「マグニフィセント・セブン」(超巨大7社)が、日本・フランス・中国・英国の株式の組み入れ比率合計より規模が大きくなっているだと!?(MSCI ACWIベース)

2024年1月27日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

2022年のS&P500のリターンは?
マイナス19%」

2023年のS&P500のリターンは?
「プラス24%」でした。

 

良い意味でも悪い意味でも
ここ数年、米国の株式相場を牽引しているのは、

「マグニフィセント・セブン」(超大型企業=M7)です。

 

 

 

 

 

「マグニフィセント・セブン」(Magnificent Seven)とは?

 

アップル、マイクロソフト、アルファベット(グーグル)、アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、テスラ、メタの「7社」を指します。

 

 

実はこの「7社」だけで
S&P500指数の『全時価総額』のおよそ3割を占めます。
(2023年12月時点)

 

 

 

 

過去を振り返れば、

例えば1930年代初頭には、
上位10銘柄が米国市場全体の4割近くを占める時期がありました。

 

また、1950年代、60年代、2000年代にも、
上位10銘柄が
米国市場全体のかなりの部分を占めた事があります。

 

 

私たちの肌感覚では、

一部の企業のみで、
市場全体の多くの割合を占めてしまうのは「健全ではない」と感じているふしがあります。

 

そして、
その感覚はおそらく正しいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

以下、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事を読んで、わたしはその思いを新たにしました。

 

米超大型株「M7」 その他大勢とこれだけ違う
巨大ハイテク株「マグニフィセント・セブン」は年初来75%上昇、時価総額はS&P500種の3割に

(2023年12月18日)

 

 

 

投資家やストラテジストは長年、
市場の集中への懸念を表明してきた。

 

市場の成長の大半を一握りの株式がもたらしているとき、
それらの株式が下落した場合に市場全体が下落に転じやすくなる。

 

まさにそう思います。

 

 

「マグニフィセント・セブン」の存在感がいかに大きいかは、米国市場を相対化し、「全世界株式」的な立場から、7社を俯瞰してみると分かりやすいかもしれません。

 

そうそう、
「オルカン」をお持ちのあなたにはより理解がしやすいでしょう。

 

 

 

「オルカン」は
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスとの連動を目指しますが、

 

同指数の中で、
「マグニフィセント・セブン」(超巨大7社)を可視化すると、驚きの結果が現れます。

それがコチラ。

 

 

 

画像元:ウォール・ストリート・ジャーナル

 

なんと、
日本・フランス・中国・英国の株式の組み入れ比率合計より「超巨大7社」の組入れ比率のほうが大きくなっているのです(12月時点)

 

 

今後、この7つの巨大企業は、
生成AIをはじめとした技術革新への期待の高まりとともに、更に高騰する可能性があります。

 

何しろ
「マグニフィセント・セブン」の2023年のリターンは
プラス75%!(12月時点)。

上記7社を除いた、
『S&P493銘柄』のリターンはプラス12%(12月時点)であり、両者の違いは鮮明です。

 

 

華々しいリターンの『数字』に
ちょっと頭がクラクラしませんか?

 

仮にこの好調な相場が続くとなると、

「S&P500最強説」から、

ナスダック100や
NYSE FANG+指数「最強説」に、
いつの間にか軸足が移っていく可能性があります。

危ない、あぶない。

 

 

 

 

 

(そして「あなた」も、
知らず知らずのうちに、
より高いリターン(数字)に気持ちが引き寄せられて・・・・・・?)

 

しかしながら良すぎるパフォーマンスは、
それ自体が
不確実性の大きさの「裏返し」かもしれません。

 

 

Index Fund Advisorsの記事
When Giants Soar: A Note of Caution for Investors』から引用してみましょう。

 

 

もう一人の懐疑論者は、
ディメンショナル社の投資戦略責任者であるウェス・クリルである。

 

(中略)

 

売買の熱狂を煽る「目を見張るようなリターン」は、
「市場の頂点に達する前に発生する傾向がある」と
同氏は注意を促している。

 

 

「いったんそこに到達すると、
その後のリターンは市場に遅れる傾向がある」とクリルは付け加えた。

 

※翻訳はDeepLによります。)

 

 

最後に、
アップルやアマゾンやグーグルは、2040年代になっても果たして覇権を握っているのでしょうか?

 

 

 

時に未来について考えるのは楽しいものです。なぜなら『未来』が実際やって来たときに、自分の予想と実際の「答え合わせ」ができるからです。

 

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