インデックス投資全般

『オルカンか、S&P500か?』という設問自体、ちょっと的を外しています

2024年1月21日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

ズバリ申し上げますと、
オルカン(全世界株式)とS&P500(米国株式)が今『沸騰』しています。

(S&P500のほうは先日、2年ぶりに最高値を更新しました。)

 

 

 

 

 

わたしは以下
QUICK Money Worldの記事で確認いたしました。

eMAXIS Slim「オルカン」、1月の資金流入額は全ファンドの4割に


上記記事によりますと、

1月4日~15日の、
国内すべての公募株式投資信託(ETF除く)への資金流入の中で、

ナント、

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2ファンドのみで、

全「資金流入額」の7割弱 を占めたのだそう。


これってスゴイこと。

(といいますかにわかに信じられません。)

 

もしかすると、上記2つのファンドの人気化というよりは、寡占化に近い現象なのかもしれません。

 

 

 

 


(ところで、)最近よく、

 

オルカン(全世界株式)と S&P500(米国株式)どっちがいいの?

 

という設問がなされます。

 

でも冷静に考えると、この質問って日本語的にヘンだと思うのです。

 

 

 

 

 

お急ぎのところ恐縮です・・

少しだけ『視点』を変えてもいいですか。

 

 

いきなりですが、

 

あなたは、
「東京とニッポン、投資するならどっちにしますか?

 

えっつ?

 

何それ。。

 

『どっち』って、

この設問のしかたって、そもそもヘンなのでは?

 

なぜなら、日本は東京を含んでいますから。

 

 


『どっちにしますか?』という聞き方より、

 

あなたは、
日本全体に投資しますか、
それとも、より絞り込んで東京に投資しますか?

 

と質問するほうがしっくり来ます。

 

 

 

 

 

それと同様に、

 

米国株式(S&P500)にしようか?
それとも 全世界株式(オルカン)にしようか?

 

と悩むのではなく、

先ほどの「質問設定」を真似して欲しいのです。

 

 

すなわち、

 

「あなたは オルカン(全世界株式)に投資しますか、
それとも、より絞り込んで S&P500(米国株式)に投資しますか?」と。

 

 

※正しい答えを導くカギは、正しい設問のしかたにあります。

 

 

 

 

 

 

12月末現在、
『全世界株式』の物差しである
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス62.57%は「米国株式」です。

 

アメリカ株式が
全世界株式のおよそ『6割』を占めるわけですから、

 

米国株式(S&P500)に投資しても、
全世界株式(オルカン)に投資しても、

約6割は「かぶっている」わけで、
投資対象としてそんなに大差はないわけです。

 

 

そういう意味で、

 

米国株式(S&P500)に投資しても、
全世界株式(オルカン)に投資しても、投資の方向性はそんなに変わりません。

 

 

では、何が違ってくるかといえば、
『国の分散(通貨の分散)をあえて図るか、図らないか』という点でしょう。

 

「分散(ぶんさん)」?

 

 

 

 

 

 

ハイ。例えばあなたはすでに、
『銘柄の分散』については「当然でしょ!」というお気持ちでやっておられるはずです。

そこから一歩進んで、積極的に国の分散(通貨の分散)も図るかどうか・・。

 

言い換えれば、

1ヵ国のみに投資するリスク、
『カントリーリスク』をどのくらい深刻に捉えるか(捉えないか)の違いです。

 

 

これだけグローバル化が進んだ今日でも、

ひとつの社会(ひとつの国)は
独自の文化的・社会的基盤を持ちます。

 

米国にも独自のカルチャーがあります。

 

そして米国における最大の懸念は
『政治的な分断』であるとわたしは思います。

 

政治的分断と経済的格差が、
深刻な社会の亀裂を生む可能性を孕んでいる・・。

ひとつの意見としてですが、わたしはそう考えています。

 

 

 

 

 

一つひとつの国に固有の『潜在リスク』があるのなら、国(カントリー)の「分散」も、やらないよりはやってたほうがイイよね・・

 

というのが当クリニックの考え方です。

 

また、わたしは若い人ほど
米国株式(S&P500)ではなく、
「全世界株式」の形で投資すべきと考えます。

 

理由はシンプルで、

 

投資出来る『期間』が長くなればなるほど、変化の『伸びしろ』が大きくなるためです。
中国に株式市場が出来たのは1990年。1940年のダウ平均は134.64ドル。また1900年時点では覇権国(ヘゲモニー国家)はまだイギリスでした。

 

 

あなたは 全世界株式 に投資しますか、
それとも、より絞り込んで 米国株式 に投資しますか?

 

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