財産税について
2024年1月10日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
「財産税」と記すと、
なにやら新種の、高度な税体系を想起しますが、
(実は)「財産税」はすでに実施されています。
あなたがお持ちの不動産がそうです。
不動産を所有すると
固定資産税(都市計画税)が課されます。
まさに財産を継続して保有する人に、
継続的に課税しているわけです。
固定資産税という名の財産税は、
先進各国ではわりと普遍的な税です。
不動産は文字通り、
「動かせない」資産ですから、
資産の現状把握がしやすいのですね。
(居宅であれば、
わざわざ『表札』まで出して、
所有者を明示してくれますし。)
また、
不動産の所有者が変わる場合、
「登記」(移転登記)がセットになっているため、
当局は所有者の移動も把握しやすいのです。
継続的な徴税がしやすく、
安定的な税収源になっている固定資産税。
ウラを返せば、
2.またその移動も逐一捕捉でき、
3.そして徴税コストそのものが安価であれば、
「財産税」が課される可能性はあります。
その理由は?
世界的に高齢化が進展しているためです。
人口分布において高齢者の割合が増すと、
「納税者」の比率が下がり、
「サービス(社会保障)受給者」の比率が増すことになり、財源確保が難しくなるのは目に見えています。
ところで、
預金・有価証券(株式・債券・投資信託等)・保険などは不動産との対比で『ペーパーアセット』と呼ばれます。
しかし、
世の中の情報は加速度的に
「ネット」に移行しているため、
『ペーパーアセット』と呼ぶよりは
『デジタルアセット』と呼ぶほうが実際に近い感があります。
各デジタルアセットを紐づけ、さらに『デジタル円』を普及させることで、
広く浅く「徴税」いたします・・という流れは、
しごく自然に起こる可能性があります。
たとえば『預金』は、
アウトプットのところで
一度「キャッシュ」に替えなければ、もうすでにデジタルアセットになっていますね。
「名寄せ」をして、
多くの人が『デジタル円』で資金を管理するようになり、国が徴税を銀行に委託する・・・、
年に1度、
普通預金に米粒のような利息が付されたりしますが、
あの逆バージョンの形で、
年に1度、0.01%とか、0.001%とのように、
『一定額以上』の預金資産に対して徴税する・・、
わたしは十分可能だと思います。
株式と債券は、
資産そのものからではなく、
証券口座の「円預り金」などから徴税される可能性があります。
投資信託については、
運用管理費用という継続コストがかかるため、
ここに財産税を薄く上乗せする可能性があります。
保険商品はどうでしょうか。
終身保険、個人年金保険などでは
各保険契約者の「時価評価」って
果たしてされているのでしょうか。
貯蓄型の保険商品には
「解約返戻金相当額」はあっても、
時価というものがありません。
保険商品の↑売買市場がないため、それも致し方ないのかもしれません。
(保険という資産から
財産税を徴収するのは意外と難しいのかも・・)
財産税は『デジタル通貨』の普及とセットで考える必要があります。
そして『一定額以上』の
預金、有価証券に対してという段のところでは、5億円、10億円以上という区切りがまずは現実的ではないでしょうか。
以上、荒唐無稽な話に聞こえるかもしれませんが、
わたしはそう遠くない将来、財産税が(先進各国で)広く普及する可能性があると考えます。
最後に、
デジタルでないキャッシュ(現金)だけが流通し、監視カメラもWiFiもない極めて限られたエリアに、別種の価値が付与される・・・、
そんな近未来も起こり得るかもしれません。
カテゴリ:お金の摩訶不思議