天気と株式市場は似ている?
2023年12月4日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
26度 ⇒ 16度 ⇒ 8度
今年は11月に
急激な温度変化がありました。
年を重ねますと本当に、
「温度変化」にカラダが付いていきません・・。
だいたい「服装」の調整がたいへんです。
「体調」も崩しがちになります。
わたしも不満たらたら口に出したりしていますが、
予測不可能で、
かつ理不尽な天気の変化があっても、
私たちはそれに『適応』するしか術がないのです。
ん?
これって何かに似ていませんか?
そう、株式市場です。
13800円 ⇒ 9300円 ⇒ 14000円
仮にファンドの価格がアップダウンを繰り返したりすると、
ハラハラどきどきして、
不満たらたら口に出たりもします。
マーケット(市場)と付き合うあなたは、
予測不可能で、
かつ理不尽な『市場の変化』があったとしても、それをコントロールすることは出来ず、ひたすら『適応』するしか術がないのです。
ところで、
天気を中期的に見たものが「気候」となります。
春・夏・秋・冬という季節がそうですし、
個々の季節の中では、
だいたい気温の平均は何度くらいで、
体感的にはこんな天気が多いよね・・ということを私たちは肌感覚で覚えています。
マーケット(市場)も
中期的に見れば、
上昇期、停滞期、下落期を不規則に繰り返しており、
上昇期では放っておいても、
ファンド価格は順調に上がっていくものです。
逆に下落期では(あなたの心配量とは関係なく)
連日ファンド価格が下がるのをただ指をくわえて見ているだけということが起きます。
お天気にも、
マーケットにも、
トレンド(傾向)というものは存在し、
私たちはこれまでの経験則でもって、
「まあ、この状態はしばらく続くでしょう。」と腑に落ちたりするわけです。
また、気象の世界では
50年、100年のメガトレンドとして、
気候そのものの「変動」が起こります。
そう、今は世界的な温暖化現象が起こっています。
米国の株式市場を俯瞰すると、
市場と政府の関係性として、
大恐慌前後をはじめとする20世紀のマーケット。
政府が市場に積極的に介入するようになったのが、
21世紀のマーケットなのでは?
と思うことがあります。
今年の3月、
「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記事
を読んで、その思いを強くした次第です。
記事では政府(当局)の介入の具体例として、
以下を挙げています。
・1998年、大手ヘッジファンドのロングターム・キャピタル・マネジメントに対する36億ドルの救済策を策定
・2001年、インターネット株の暴落後、投資家を安心させるために利下げを実施
・2008-09年の金融危機時、マネー・マーケット・ファンド(MMF)に最大500億ドルの支援、経営不振の銀行や事業会社に4250億ドル以上を投入、1兆7000億ドル以上の政府証券を買い入れ
・その後の大半にわたり、金利を0%近辺に据え置く
・新型コロナウイルス流行下の2020年、投資家を落ち着かせるために約1兆5000億ドルの米国債を購入
コロナの際の介入も、
ゼロ金利の設定も、
市場の『安定化』に寄与していることは疑いの余地がありません。
誰も金融市場のクラッシュや、
極端な収縮は望んでいないわけですから。
が、WSJの記事で興味深いのは、
金融システムからリスクを排除しようとすれば、
リスクは下がるどころか増す可能性があるということだ。
と記しているところなのです。
天気と
株式市場の本質的な違いは、
天気が「自然現象」であるのに対し、
市場(マーケット)は「人間の現象」である点でしょう。
例えば、今年3月に破綻した
シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行の預金の全額保護を、米当局は表明しました。
また、バランスシートに不安がある
他の銀行にも最大250億ドル貸し出すプログラムも発表しました。
金融危機の芽が出始めると、
これは、よい・コトなのでしょうか。
より「大きな危機」を醸成する可能性があると私は感じてしまいます。
上記記事内、
ベアード・アドバイザーズのメアリー・エレン・スタネック共同最高投資責任者(CIO)の言葉が印象に残りました。
間違いを犯せば
政府が必ず救ってくれると誰もが考えるなら、
よりリスクの大きい決断をするようになる。