米中の覇権争いが続いても、インデックス投資を続ける理由
2023年11月17日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
先日、米中首脳会談がサンフランシスコ郊外で行われました。
ブルームバーグのこちらの記事では、
今回の会談の成果について、
事態がより悪化するリスクを抑制したのみ。と伝えています。
結論から言えば、
政治的、経済的に、
中国とアメリカは熾烈な『覇権争い』を繰り広げると考えます。
上記の争いは、過去500年の、
スペイン → オランダ → イギリス → アメリカ → ? という、『覇権』が変遷してきた流れを汲んでいるわけです。
話は突然変わりますが、
あなたは2年前に中国の火星探査機が
火星着陸を成功させたニュースをご存じですか?
同じ年(2021年)の2月に、
アメリカの火星探査機も火星着陸を成功させ、
その後、火星の大気に含まれる二酸化炭素から
酸素を取り出すことに成功しています。
米中のテクノロジー競争は、
その舞台をすでに『宇宙』にまで移しているのです。
今回の「イスラエル・ハマス紛争」でも、アメリカと中国は政治的な駆け引きを行っています。
アメリカはイスラエル支持が明白ですが、
イランと親密な関係にある中国に対して米国は、「イランへ深入りしないよう」働きかけを依頼しているとも云われています。
また『台湾問題』については、
中国がほんとうに台湾進攻を実施すれば、米中が軍事的に衝突すると危惧されていますが、米ソ時代の「冷戦」と状況が異なり、リアルな戦争状態になる可能性は著しく低いと考えます。
米中の貿易額も、人も行き来も、そして資本的な貸し借りも、相応の量に上っており、
ざっくり言ってしまえば、
政治体制は異なっても
『お金儲け』という点で
米中は相互に利益があることを重々承知しているわけで。
その「うまみ」を投げ売ってまで、
戦争状態に突き進むとは考えづらいです。
ただ、インデックス投資家であれば勿論、
米中の「仲の悪さ」は気になるところでしょう。
しかしわたしは、
対立、競争があって、
互いに切磋琢磨するという現実は、
それぞれの陣営が競いながら『技術革新』を続けることにもなるためです。
現在、中国は主にグローバルサウスに対して隠然とした力を持っています。
中国の経済圏たるものを作ろうとしているわけです。
経済的な結びつきの濃淡を基準として、
おそらく地球儀ベースで今後、
中国系のブロック経済圏、
アメリカ寄りのブロック経済圏というふうに
大きな棲み分けが見られるようになる可能性があります。
中国株式のプレゼンスは長い時間をかけて、少しずつ大きくなってきました。
たとえ中国政府が人権侵害を行っていることを自覚しても、
居心地の悪さを心の中で感じていても、
わたしは『全世界株式』への投資を通じて、中国企業にも投資を行っています。
その会社が、その国が、
「好きか・嫌いか」という次元を超えて、
道徳的、道義的に、
「正しいか・正しくないか」ということも脇に置いて、
自らの感情のわだかまりにもフタをして、
ひたすら冷徹に欲を持って投網する・・・。
もちろん、アメリカも問題が山積していますが、高度な分散を前提とした株式インデックス投資において、米国に投資しないことは考えられません。
500年前から株式市場の歴史は、
『六分の希望、四分の不安』で成り立ってきました。
これから先もそうでしょう。
最後に、逆説的ですが、1970年代の終わりに、
中国が『改革開放政策』を実施しなかったら?と考えるとぞっとします。
この20~30年の世界経済の成長は実現不可能だったと思うためです。
カテゴリ:インデックス投資全般