どうして積み立ては定額で、取り崩しは定口なの?
2023年11月15日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
ここに「つみたて投資」を始めたばかりのヤマダさんがいます。
29歳です。
ヤマダさんは
投資信託の価格が大いに下がって、
たくさん「口数」が買えたほうが望ましいと考えています。
ヤマダさんは「定額」で毎月ファンドを買っています。
『定額』でつみたて投資するの?
あっ、それはたいてい
書籍にそう書かれているから・・
ではなく!、
きちんと「理屈上の根拠」があります。
どうしてつみたて投資は『定額』でするかというと、
同じ3万円のつみたてでも、
投資信託の値段が上がった場合は、
少なく買う
同じ3万円のつみたてでも、
投資信託の値段が下がった場合は多く買える。
このような『自動調整作用』が働くからなのです。
価格が上がったときは「少なく」
価格が下がったときは「多く」買う。
これってとても合理的ですね。
これが『定額つみたて』の根拠です。
いっぽう、今年67歳のサトウさんはどうでしょう。
サトウさんはこれから
投資信託の「取り崩し」を始めますが、
なんとなく『定額』で取り崩すつもり。
またサトウさんは
資産を長きにわたって取り崩すので、
投資信託の大きな下げは(出来れば)起こって欲しくありません。
同じ3万円の「取り崩し」でも
投資信託の値段が上がった場合は、
(取り崩す「口数」が減ります)
ん?本当は、ファンド価格が上がったときは、
もう少し『取り崩しても』良いのでは?
また、同じ3万円の「取り崩し」でも、
投資信託の値段が下がった場合は、
取り崩す「口数」= 量 が増えてしまいます。
あれ?
もう少し『控えめに』取り崩したほうが良いのでは?
つまり、サトウさんにとって
『定額』で取り崩すことは、
ヤマダさんが『定額』で積み立てるケースの、逆の効果 を生んでしまうのです。
ココ、発想の転換が必要でしょう。
ヤマダさんとサトウさんは同じ投資家でも、
いっぽうは「山を登る」=資産を積み上げる過程、
もういっぽうは「山を下る」=資産を取り崩す過程 におられるため、
見える景色が「真逆」になります。
29歳のヤマダさんにとってベストな選択は?
『定期・定額つみたて』
でも、67歳のサトウさんは?
「定期・定額解約」ではなく、
『定期・定口数解約』がよりふさわしい。
【定期・定口数解約】では、
規則的に「同じ口数」を解約していきます。
ファンドの価格が下がったときは
同じ口数の取り崩しでも、
もらえる『金額』は減ります。
(換言すれば、ファンド価格が下落したときに『量=口数』をたくさん取り崩してしまうリスクを避けるのです。)
逆に、価格が上昇しているときは、
(同じ口数の解約でも)
もらえる『金額』が増えます。
『定期・定口数解約』なら、
ファンド価格が上がったときは、
多めの金額を受け取り、
ファンド価格が下がったときは
少なめの金額を受け取るという『自動調整作用』が効くのです。
定口数解約サービスは『セゾン投信』や、
『楽天証券』で実施されています。
(楽天証券では③期間指定というサービス項目になっています)
カテゴリ:つみたて投資, リタイアメント・資産の取り崩し