リスクを感じることが出来る人が『分散投資』を実践します
2023年10月29日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
お金を増やすことに邁進し、
そして実際そのお金が増えていけば、
誰でも嬉しいものです(^^)
自分が所有するモノが
定量的に「増える」感覚は、
お金が増えれば、もっと増やしたいと願います。
たとえば
株式50:債券50の資産配分が
自身の『リスク許容度』に合致している人でも、
自分より順調に資産を増やす様を見ていると、
ついつい「わたしも!」と思ってしまいがち・・。
ましてや『新NISA』では、利益に対して非課税が約束されているわけですから、
と、
リスクに対する許容量をついつい『拡大解釈』してしまうのです。
ホントは非課税制度の存在自体と、あなたのリスク許容度はまったく別個の事柄なのですが・・。
無期限の非課税制度が存在するからといって、別に最高のリターンを狙う必要はありません。
私たちは別に、
『日本全国☆お金増やし選手権』に参加している選手ではないのです。
「お金を増やすこと」は目的ではなく、
あくまで手段です。
どのくらいの「時間スパン」で、
「どの程度」お金を増やすのかは、
きわめて個別の、パーソナルな事柄であり、個々人で『正解』が異なってくると思いませんか?
ある意味「自然」なことなのです。
わたしもあなたも口癖のように「リスク」「リスク」と言いますが、
ほんとうの『リスク』とは、
ふだんは意識の断片にものぼってこない、闇の底に佇む不確定要素が突如として地表に現れるような状態を指します。
新型コロナウイルスがそうでした。
ウクライナで勃発した戦争もそうです。
それがいつ発露しても、あなたの資産の持ち方は(あなたにとって)大丈夫。と言い切る自信がありますか?
そんな、底辺からの、資産のバランスチェックが(たまには)必要なのでは。
より高いリターンという誘惑を棚上げして、
不確定要素に対する『備え』を優先させます。
それは20世紀半ば、ハリー・マーコウィッツ氏によって確立された『ポートフォリオ理論』によって理屈付けられています。
異なる値動きをする、
複数の投資対象を組み合わせることで、
リスクの『軽減』ができることを
わたしたちの先人は学んだのです。
今、勇んで「ニッセイ外国株式インデックスファンド」を保有する人も、併せて『現預金』という別の資産も持っているはず。
不確定要素に備えるため、
資産の置き場を『わざと』ばらしているわけです。
あなたが今100の原資を保有するとして、
たった「ひとつの器」に
100を入れることは出来るけれども、
(あえて)そうはせずに、
わざと、
40 30 30と原資を分け、
それぞれ『異なった形の器』に入れる。
リスクをコントロールすることを重んじているわけです。
これは紛れもなく「オトナの振る舞い」でしょう。
リスクの分散には、
『資産の分散』をはじめ、
『国・地域の分散』(通貨の分散)があります。
そして、あまり目立たないのですが、
投資を実行する時期を「分散」させるのが『つみたて投資』です。
世の中に不穏な空気が漂うような時こそ、身の丈に合った『リスク』とは?と一度自問してみましょう。