新NISA口座、相続が発生した場合はどうなるの?
2023年10月25日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
ちょっと「先の話」で恐縮です。
『NISA口座』で長く投資を行い、
あなたの資産が順調に増えていったとします。
あなたが死んでしまったら、一体どうなるのでしょう?
NISAとは、
本人(あなた)に帰属する制度です。
したがって、
本人(あなた)が死去すれば、
特定口座に払い出されます。← ココ、重要。
仮にあなたに『相続人』が一人いるとして、
その相続人が「NISA口座」を持っていたとしても、
その口座に、
あなたの投資信託を引き継がせることは出来ません。
「相続」の手続き自体はシンプルです。
投資信託は投資信託のまま引き継がせることが可能です。
これは、
個別株式や不動産を、名義変更によって
そのまま引き継げるのと同じ理屈です。
では、
あなたが死んでしまえば、
それまで『NISA口座』でファンドを保有してきた「メリット」は消滅してしまうのでしょうか?
いいえ、消滅はしません。
『NISA口座』で資産を増やしてきたメリットは(おそらく)残ります。
この、
「メリットはあるよ!」を
うまく伝えるために、
ちょっと寄り道になりますが、
もともと特定口座で持っていた
投資信託を『相続』するケースを想定してみましょう。
「取得価格」1800万円 ⇒ 「死亡時の評価額」2900万円に。
相続人はニッセイ外国株式インデックスファンドを相続しますが、
その際、
あなたの「取得価格」1800万円を引き継ぎます。
つまり、
ニッセイ外国株式インデックスファンドを売却した際は、1800万円が「取得価格」と見なされるわけです。
これが、
最初から『特定口座』で投資信託を保有していたケース。
次に『NISA口座』でファンドを保有していた場合。
「取得価格」1800万円 ⇒ 「死亡時の評価額」2900万円に。
死去とともに、
ニッセイ外国株式インデックスファンドは『特定口座』に払い出されます。
相続人はニッセイ外国株式インデックスファンドを相続しますが、
その際、相続人の「取得価格」は、
あなたの死亡時の評価額 2900万円となります。
つまり、
(ファンド価格は長い目で見れば上昇するという前提で言えば、)
『NISA口座』で長期運用の結果、
あなたに万一のことがあっても、
「非課税のメリット」はある程度、相続人にも引き継がれるわけです。
これは頭の隅で覚えておきましょう。
換言すれば、
『NISA制度』ではあなたに「選択肢」があるとも云えます。
それは、
あなたが存命のうちにファンドを解約するか、
ファンドを持ち続けたまま死去するかというチョイスです。
カテゴリ:NISA活用法