投資は勉強ではなく(どちらかというと)スポーツに近いのかもしれません
2023年10月16日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
ズバリ申し上げますが、
『お仕事』に取り組む感じで
「あれこれリサーチしないと!」と投資に取り組んでしまうのは、ちょっとした「勘違い」かもしれません。
投資の実践は、お仕事の実行とはぜんぜん違います。
例えば、新しいプロジェクト(お仕事)が立ち上がる際、
それに関連した情報収集、類似サービスの研究、
またライバル会社の動向をリサーチすることは欠かせません。
また、様々なリスク要素について、
大きなものから小さなものまで
ピックアップし(併せて対応策を練っておくことも)当然望まれることです。
要は仕事ですから、周到に準備しないといけないわけです。
でも、投資では周到に準備し過ぎてはいけません。
理由はカンタンで、周到には準備し切れないためです。
えっ!?
わたしはA型で(実は)内気で心配性です。
何をするにもしっかり事前情報を仕入れ、
『きちんとこなしたい』と願うタイプです。
完璧主義といっていいかもしれません。
中途半端に始めてミスをしたら・・
失敗してしまったら・・
(何より)
自分自身に対して立腹してしまうタイプなのです。
ですので、
「何もかもきちんと準備しないと!」と思ってしまう『勉強家タイプ』のあなたの気持ちはよーく分かります。
そして具体的にどのファンドを選ぶのか?
完璧を目指し、
細部のところまでしっかり事前勉強しておく・・。
あなたの『お仕事』では、そういう心構えこそが、他者より抜きんでる秘訣だと思います。
が、投資という行為は
「勉強」というよりは(どちらかというと)「スポーツ」に近いと思うのです。
一例ですがこの冬、
あなたは初めてスキーをすることになりました。
スキーの道具や基本構造や、
ぜったい「やってはいけないこと」は、
事前勉強をして
頭に入れていたほうがいいと思いますが、
ずっとスキーのYouTubeを観ていても、
スキーが上手くなるわけではありません。
基本部分さえ知識として仕入れれば、
あとはゆっくり『実践』していくのみ・・。
資産配分をどうするのか、
具体的にどのファンドを選ぶか、結論にまで至らなければ、
株式と債券を併せ持った
低コストの『バランスファンド』(インデックス型のもの)から始めてよいと思います。
※ 途中で投資信託を変更することは「失敗」でもなんでもありません!
また、月5000円とか月1万円の
「つみたて投資」という形で投資を始めれば、リスクを少しずつ取っていくことも可能です。
月5000円の積立投資なら、2年続けてようやく元本が12万円。
「あー、失敗したらどうしよう?」というお気持ちはすごく分かります。
投資で何かミスをして、思い違いをして、
こりゃあ、失敗してしまったと思ったら、自分がイヤになるかもしれません。
何回くらい転ぶと思います?
(スキーの事前勉強のひとつとして、
『正しい転び方』という項目があるくらいですから!)
そもそも、投資初心者にとって
「うまく行かないこと」=「失敗」は織り込み済みです。
冒頭部分で、投資は周到には準備し切れません。と記しましたが、超ベテランの人にも、初心者の人にも同様に、投資では『予想外』のことが、突如して起こります。
それは、私たちが対峙する「株式マーケット」というところが、予想外、想定外の変動を起こすマグマを常に有しているためです。
投資未経験のあなたには、
『失敗』と書いて、
「けいけん(経験)」と読んで欲しいと思います。
最初の選択で
うまく行かなかったからといって、
そんなに落ち込まなくてよいのです。
投資とは
「長い長いプロセス」を経る行いですので、
数々の失敗(転び)から
少しずつコツを学んで、
投資家として少しずつ成熟していけばよいのですから。
カテゴリ:投資家の感情リスク