直近5年の「バランスファンド四人衆」の騰落率は意外な結果に?
2023年9月11日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
資産をわざわざ『分散』させるのは、
大きく負けないようにするためです。
株式だけでなく、債券(あるいはREITにも)
ある程度の割合投資を行う
「インデックス型のバランスファンド」は、
期待できるリターンに大きな差は生じません。
そしてみな、
価格変動の振れ幅が(株式100%のファンドに比べると)緩やかになります。
本日比較するのは、
以下の『バランスファンド4人衆』です。
(03312175)
(96311073)
(29313158)
(64315091)
(括弧内の数字はヤフーファイナンスにおける『コード』です)
以下、バランスファンド4人衆の、直近5年の「騰落率」の比較です。
画像元:ヤフーファイナンス
※世界経済インデックスファンドは図表上では『黄色』です。ご留意を。
いかがでしょうか?
例えば、
運用管理費用が安いことはたしかに重要ですが、
青色、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の成績が、別に最良にはなっていません。
本ファンドに関しては、
コロナ禍直後のREIT(不動産投資信託)の暴落が
パフォーマンスに影響を与えていると思われます。
(他の3ファンドはREITの組み入れはないため)
2番目にコストが安い
黄緑色のニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等)より、
運用管理費用0.55%の、
黄色、世界経済インデックスファンドのほうが成績が良かったりするのも不思議。
日本株式の比率が(他のファンドに比べると高いため、)
日本株のパフォーマンスが他の地域と比して高まってくれば、
数字(成績)が違ってくるでしょう。
そして、4人衆の中ではコストが最も高い
ピンク色、セゾン・グローバルバランスファンドがいちばん成績が良い点も驚きです。
セゾン・グローバルの株式は
時価総額の比率に沿った組入れのため、
先進国株式(特に米国株式)の上昇の恩恵を受けてきました。
債券の名目リターンより為替差損に悩まされている状況なのです。
繰り返しですが、
本当は4つのファンドどれを選んでも、
長期的なパフォーマンスに大きな差は生じません。
(あえて)拡大してお話しているわけです。
異なった資産を組み合わせる『バランスファンド』では、マーケットの潮目が変われば、弱みが強みに変換されたりします。
今後5年、10年というスパンで見れば、
REITの組み入れが強みになる可能性がありますし、
日本株が威力を発揮する可能性も(また)あります。
新興国の株式や債券が(意外と)パフォーマンスの底上げにつながることもあり得るわけです。
つまりは、この図表だけを見て、
画像元:ヤフーファイナンス
あなた自身が、
○ バランスファンドを選択して、資産管理のメンテナンスは運用会社に任せる
(おまかせ型)
を選択している時点で、
ファンド運用会社が逐一『リ・バランス』を行ってくれるわけですから、どのバランスファンド(インデックス型)を選ぼうと、枕を高くして眠ってよいのです。
それではおやすみなさい。
カテゴリ:バランスファンド