男女雇用機会均等法成立から38年。見えてきた『家計』のひとつの姿とは?
2023年8月27日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
むかし「特捜最前線」という刑事ドラマがありました。
F.チリアーノさんが唄うエンディング曲
「私だけの十字架」が印象的でした。
FP(ファイナンシャルプランナー)として仕事をしていますと、自分は『家計の最前線』を見させてもらっていると感じることがあります。
収入、支出という数字も、
各ご資産額の推移も、
データの一つひとつが多くのことを物語ってくれます。
当然の如く、
家計も『生き物』なのです。
ところで、
わたしの親の世代は
男が外で働き、女性は家の中の世話をするというのが一般的でした。
今は、
「共働き世帯」(ダブルインカム)のほうが、
「シングルインカム世帯」より多くなっていますね。
画像元:男女共同参画局
それでも、です。
相談者さまの家計を拝見すれば、
先ほど家計は『生き物』と述べましたが、
この2年くらいでしょうか・・、
かつご夫婦『別サイフ』という家計を拝見する機会が増えています。
ご夫妻のお金が
『別サイフ』になるためには?
それぞれが経済的に独立していることが前提となります。
「共にフルタイム勤務」という実態は相互作用の関係にあるのです。
さらに掘り下げますと、
最近、
ご夫婦フルタイム勤務
ご夫婦別サイフ、
そしてお二人の金融資産が『拮抗する』というケースを幾つか拝見しています。
ご夫婦共働きで、
二人の金融資産が拮抗するとは・・?
そう変わらない「年数」、ともに働き続けた結果と云えるでしょう。
男女雇用機会均等法成立(1985年)から38年を経て、
FPという小さな窓からではありますが、
パートナーが共に働き、
応分をともに負担し合って、それぞれのサイフに責任を持ちながら、共に暮らすというひとつの『到達形』を、垣間見る気がします。
『モデルケース』を挙げてみましょう。
男女雇用機会均等法成立(1985年)
1988年新卒入社 → 60歳(2025年)の男性
上記モデルケースでは、お二人に間もなく退職金(60歳時)が出ます。
もちろん、
60歳から65歳まで
どのような働き方をするのか、
あるいは60歳で完全リタイアを目指すのかなど、
いくつかのシナリオは描けると思いますが、
ご夫婦フルタイム勤務、別サイフ、
二人の金融資産が『拮抗する』する中で、
やがて始まる資産の「取り崩し」でも、
ご夫妻それぞれが、
それぞれの資産を、
各々のやり方で、
各々が必要とする量で解約していく事になるわけです。
ひとつ屋根の下で暮らしながらも、死ぬまで経済的に互いが独立している姿は、明らかに家計の『新たな姿』(another type of 家計)を示しているのではないでしょうか。
そして、その傾向は(実は)まだ始まったばかりです。
2008年新卒入社 → 60歳(2045年)の男性
のパートナーに至っては、
男性(フルタイム)+女性(パート)のケースと、
共にフルタイム勤務のケースの比率は、
1988年新卒入社 → 60歳(2025年)の男性
の場合とは、大きく違っているはずでしょう。
家計とは『生き物』なのです。
最後に、
配偶者のことを対外的に
『パートナー』と呼ぶ人が増えています。
(これもFPという小さな窓から垣間見る新たな発見です。)
カテゴリ:100年ライフプラン, わたしのFP修行