子ども名義の証券口座はピュアな投資、それとも投資教育?(ジュニアNISAに駆け込まなくてもよいと思う理由)
2023年8月26日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
ジュニアNISAの終了が迫ってきました。
以下、綾小路麗香さんのツイートに
詳細がまとめられています。
〈ジュニアNISA駆け込み❷/3〉ジュニアNISAの最終確定版をまとめるとこうなります。これまで非課税期間が終わったら継続管理勘定っていう箱に移す手続きが必要だったけど、自動で移るから手間なし。子18歳まで資金ロックが、いつでも引き出せるように(ただし一括売却のみ)。子の新NISAも自動開設。 pic.twitter.com/b29bAqFQFF
— 綾小路麗香/マネー編集者 (@reika_amoney) August 23, 2023
ジュニアNISA口座を開設するなら、
本当に駆け込まなくてはいけません。
しかしわたしは
無理にジュニアNISAを開設しなくてもよいと考える一人です。
最初にお断りです。
今日の記事には
いくつか『前提条件』があります。
お子さん名義で証券口座を開いて、
投資信託を買っていく行為は、
お子さんの『投資教育のため』という前提です。
「ジュニアNISA」は
今年(2023年)で終わる制度です。
入金できるお金は80万円まで。
もちろん今から口座を開けば、
年内に80万円入金して
投資信託を買い付けることも可能です。
が、
実態として限りなく
『一括投資』に近い形となります。
ジュニアNISAはもちろん『非課税口座』ですが、
非課税期間は満了します。
すなわち、ジュニアNISA自体が終了し『特定口座』に。
これは、
現行の「一般NISA」「つみたてNISA」と同じ概念であり、
非課税期間満了後も
あなたがファンドを持ち続けていれば、
『特定口座』に移ることになります。
換言すれば、
『非課税』のメリットをフルに享受するためには、
お子さんが今10歳時点で
ジュニアNISAで投資信託を買付け、
18歳を迎えたその年の年末までに
ファンドを「解約」しないといけません。
微妙な年月だと思いませんか、
リスクを取って投資を行う期間としては。
(ちなみに、
現行の一般NISA、つみたてNISAと同じく、
既存のジュニアNISA内のファンドを
シンNISA口座に移し替えることは出来ません。
ただしジュニアNISA口座を開いておけば、
自動的に「シンNISA口座」は開設されます)
わたしはこう思います。
別に『ジュニアNISA口座』にこだわらなくても、
未成年口座(お子さんの特定口座)で
シンプルに積立投資を続けるほうが良いのではないかと。
より掘り下げると、
『投資教育的』な意味付けがしやすいのは、
ジュニアNISAではなく、
未成年口座(特定口座)での積立投資のほうなのです。
学資の準備以外のために、
わざわざ証券口座で、
お子さんの「名義」で ←ココ大事。
投資信託を買い付ける理由は?
自分のお金で
投資信託の積立が
しやすくなるような『環境づくり』をしたいから、です。
社会人になったときに、
お子さん自身に
積立投資を始めてもらうことを「ゴール」と捉えれば、
年少時から、
ふつうの積立投資で
ふつうの投資実践をしておくのが得策でしょう。
月5000円でも月1万円でもOK.
毎月リスク資産を買い続ける姿を
暮らしの一コマとする・・
小さな「習慣」として印象付ける・・
上記掛金の一部として、
児童手当(子ども手当)を充ててもよいでしょう。
もちろん、
18歳以降もそのまま積立投資を続けるほうに持っていきたいですね。
月千円でもいいのです。
親がお子さんに、
資産が逓増していく様子を語って聞かせやすい =『物語』として伝えやすいのは、一括投資ではなく「積立投資」ではないでしょうか。
子どもさんにとっても、
定時定額で少しずつ資産を積み上げてくれるほうが、
投資の長いプロセス(道程)を体感しやすいと思います。
年少時から
自分名義の口座で積立投資の実績がある人は、
オトナになっても積立投資を続ける可能性が高まるとわたしは考えます。
カテゴリ:100年ライフプラン