投資を始める理由は r>g にあり?
2023年8月22日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
そう感じている人が、
日本には何百万人と居る。と推察します。
この両岸の『橋渡し』をしたいと、仕事柄いつも思っているのですが、今日はちょっと「基本」に戻ってみましょう。
ちょっと、世の中の「成り立ち」から紐解いてみます。
あなたは
フランス人のおじさんをご存じですか?
トマ・ピケティという人です。
このピケティという学者さんが書いた本
『21世紀の資本』(Capital in the 21st century)は、
学術書ながら、
世界中で大ベストセラーとなりました。
本書を象徴づけるのが
『r>g』という公式です。
ざっくり
(かつ)無理やりまとめてしまえば、
資産の増え方のほうが
賃金の増え方よりも早いよ。
という、
社会の現実を記す公式です。
資産の増え方のほうが
賃金の増え方よりも早い。
ここでいう資産は、
会社(株式)や、
債券や不動産といったものと捉えてください。
ピケティ先生は、
資本(会社【株式】)の収益率のほうが高いです。と喝破しています。
これは、
良い、悪いの問題ではありません。
私たちは実際、
資本の収益率>賃金の成長率 という、
「資本の論理」のもとで暮らしています。
というあなたの気持ちも分からないではないですが、
(実は)「r>g」という式は、
あなたが会社員なら、
すぐに答えが出てしまう命題なのです。
会社(株式)とは、
複数の資本から成り立つ資産です。
あなたはそこに属して働いています。
その資本の成長率が、
あなたの賃金の成長率(=経済の成長率)と、仮に『同じ』であるなら、
どこまで行っても現状維持のままでしょう。
もちろん、
あなたを雇い続けることは
出来るかもしれませんが、
『超過収益』が生まれないため、
未来に向けた投資が行えません。
そのため、
産業構造の変化が起こったり、
ライバル会社が新種のサービスを提供し始めたり、
原油の高騰や、
天変地異が起こったりすると、
会社(株式)が
激変に耐え得る余裕(蓄えた資本)がないために、
あっという間に倒産してしまう恐れさえあります。
これは困った話です。
別の視点から言えば、
自ずと、
資本の収益率>賃金の成長率 を義務付けられている。とも云えるのです。
それが達成できない会社(資本)は淘汰されます。
あーあ、
やっぱ資本を動かす人が
世の中を牛耳ってるんだ。
富める人がますます富む社会。
自分のように、
ちっぽけな会社員(労働者)には所詮何もできないんだ・・
という帰結(あきらめ?)は
ちょっと早すぎるかもしれません。
なぜなら、
今の世の中では、
会社員をやりながら、
資本家にもなれるためです。
その具体的な手段のひとつが、
投資信託を用いて、
金融の資産を積み上げる行為です。
あなたが自ら金融資本を積み上げない限り、
資本の収益率>賃金の成長率
ずっと右側のみに↑頼る人になります。
逆に、
自ら金融資本を
コツコツ積み上げることが出来れば、
資本の収益率>賃金の成長率
ひとりの人間が、
左も、右も、受け取ることが可能になるわけです。
この、
金融の資産を積み上げる行為こそが、
投資の『具体像』なのです。
わたしはそれを始めることをあなたにお勧めします。
もちろん、
やるか・やらないの「選択」の自由も存在します。
しかし、
「やってみる」のもアリかもしれません。
この、
「やってみる」という書き方をしたのは、
小さくトライしてみることが可能だからです。
例えば、
・特定口座・源泉徴収ありにチェック
・「つみたてNISA」という口座も開設するにチェック
実際に投資信託の積立をやってみるのです。
※身銭を切る必要はあります。
これはあなたにとっては
新しい『体験』です。
ドキドキしたり、
不安で胸がいっぱいになったりする気持ちは分かります。
ただ、
やってみると
拍子抜けするくらい「単純な行為」で、
最初の設定作業さえ済んでしまえば、
途端に退屈モードに入ってしまい、あなたは興ざめしてしまうかもしれません。
今のうちに「つみたてNISA」の口座を開いておけば、
来年からの「新NISA」口座は自動的に開設されます。
上記は経済における真理であり、
今後も変わることはないでしょう。
カテゴリ:投資の発想法