投資家の感情リスク

投資への初恋はいつかは冷めるもの(でも、それでよいのです)

2023年8月14日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

人はふとした『きっかけ』で、投資に興味を持ち始めます。

 

たった3ヵ月前まで、
投資の「との字」も意識することがなかった人が、
YouTubeがきっかけで、友人に勧められた書籍がきっかけで、ふいに好奇心の灯が点ったりするのです。

 

 

最初の好奇心が、骨太の「探求心」に変われば、
野太い風のように
あなたは投資に『傾倒』したりもします。

 

(いや、もっとはっきり言うと)
投資に『夢中』になる人もいます。

 

あらゆる情報を駆使し、
YouTuberさんの各動画の比較表まで作成して、

自分自身の「アセットアロケーション」や「投資商品」を吟味したりする・・。

 

 

あるいは仕事柄、
パソコンのセキュリティソフトに詳しい人が、

その関連の会社に興味を持ち始め、
個別株式の比較検討に走って、嬉々として買い注文や売り注文を入れたりする。

 

 

わたしはこれを
【初恋・燃え上がり現象】と呼んでいます。

 

 

 

 

 

投資に限りませんが、
はじめての出会いで盛り上がった『興味・興奮』というものは猛々しく、アドレナリンも多く分泌されます。

 

(しかし実のところ、)それはそう長くは続きません・・。

 

誤解がないように申し上げると、
『投資』に興味を持ち、
それに対して好奇心を抱くのは「素晴らしいこと」なのですよ。

 

 

最初の知覚現象として、

 

目の前がぱっと開け、新しい世界が訪れる瞬間。これは誰にも経験があるはずです。

 

 

しかし、です。

投資と長く付き合うためには、
【ほどよい距離を保つこと】もまた重要ではないでしょうか。

 

 

 

 

 

最初は毎日毎日、
アプリを開いて投資信託の価格をチェックしたくなるものです。

 

ところが、投資を始めて2年、3年と経ってくると、
自身の資産状況をチェックする「回数」も減ってきます。

 

 

 

 

減ってきます。

 

 

 

 

減ってくるはず・・。

 

 

減っていませんか?)

 

 

もしも投資を始めて5、6年経っていても、【燃え上がり現象】が衰えていない場合、それは何かがうまく『作動』していない証左かもしれません。

 

 

(もしかして、)
投資が【趣味】になっていませんか?

 

 

わくわくドキドキは
人を「快」へと導きます。

分かりやすい、短編ドラマのような
『筋書きの予想』は人を興奮させます。

 

もちろん、会社の休み時間にスマホを持って、おトイレに駆け込んで、株価のチェックとかをする『投資・浸り族』にはなっていないと思いますが、

 

 

自ら意識して、投資と『距離を置く』ことは、言葉以上に難しいものです。

 

 

昔、サントリーレッドのCMで
女優の大原麗子さんが、


「すこし愛して、ながく愛して」と言っていましたが、

 

 

 

 

 

投資を好きになりすぎると、
投資に振り回される恐れがあるのです。

 

(気持ちとしては)ちょっとだけ
(そして長く)愛してあげればよいのです。

 

 

あなたにとっては、
お仕事や、家族との時間、大切な趣味、
それらに費やす時間が『重要な時間』であるはず・・。

 

そもそも、

 

投資に興味を持てば持つほど、
それに携わる時間が長くなればなるほど、
『リターン』って高くなるのでしょうか?

 

 

 

こんなふうに考えてみてください・・。

 

 

仮にあなたが
投資と年間10時間くらいしか
関わっていなかったとしましょう。

それで、
3.5%程度のリターンを得ることができました。

 

では、投資と年間1000時間関われば、
リターンは 350% になるのでしょうか?

 

 

 

 

 

オンラインのカウンセリングを終了するとき、
わたしはしばしば、

 

「投資とほどよい距離を保ってくださいね!」

 

と申し上げます。

 

 

お正月のときにだけ会う「遠い親戚」?
2年に1度会うか会わないか位の「仕事上の知り合い」?

そんな感じでいいと思います。

 

1日24時間のイメージでいうと、
仕事、家族、大切な趣味にあてる時間が99.9%でよいのです。

投資との接点は 0.1% にしてください。

その代わり、その 0.1% をしぶとく【続けて】ください。

 

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