オルカンのみを保有しても『リ・バランス』は必要?
2023年8月9日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今、あなたが、
日本株式 20%
新興国株式 30%
先進国株式 20%
という、シンプルな「ポートフォリオ」を組んでいるとしましょう。
上記『基本比率』に対して、
各ファンドの資産割合がずれてくれば、
例えば年に一度、割合が高くなったファンドを売って、割合が低くなったファンドを買い増す行為が必要になります。
でも実はこれ・・・、
『内側のリ・バランス』なのです。
なぜなら、あなたは4つのファンド以外にも、
日本株式 20%
新興国株式 30%
先進国株式 20%
お手元に、相応の預貯金(安全資産)をお持ちのはずですから。
よく「楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)」や、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を用いて投資をしている人が、
と仰いますが、
厳密に言えば「必要」でしょう。
なぜなら同じようにオルカン
(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を保有する「鈴木さん」と「佐藤さん」でも、その『内実』は異なるためです。
たとえば以下の例。
安全資産 800万円 オルカン 200万円
佐藤さん)
安全資産 200万円 オルカン 800万円
どうでしょう?
両者が背中に背負う「リスク量」は大きく異なりますね。
たとえあなたが『オルカン』のみを保有しても、
手元の預貯金等(安全資産)と
投資信託(リスク資産)の『比率』を知り、
それを管理していくことは意外と重要です。
たとえば上図、佐藤さんのように、
安全資産20%:リスク資産80% を『基本比率』と定めれば、
安全資産とリスク資産の間で
年に一度『リ・バランス』を行うことで、
概ね同じ大きさに維持できるはずです。
これを『外側のリ・バランス』と呼びます。
ただし、です。
オルカンを用いた投資を始めてまだ年月が浅い人は、
『外側のリ・バランス』を考える必要はありません。
(リスク資産の割合があまりにも少ないためです)
また、30代、40代は、投資人生の中で最もリスクを背負える時期ですから、
アグレッシブにリスクテイクする『方針』なら、「安全資産(預金)」と「リスク資産(投資信託)」の比率にそんなに細かく拘る必要はないかもしれません。
あっ、わたしも(実は)55歳なのですが・・。
55歳の嗜好🤠
— カン・チュンド@インデックス投資アドバイザー🙋♂️ (@4649kang) August 8, 2023
魚>肉
焼き物>揚げ物
玄米>白米
梅ジュース>梅酎ハイ
安全資産:リスク資産=5:5 > 安全資産:リスク資産=2:8
以下「一例」ですが、
なぜ、安全資産20%:リスク資産80%を、
安全資産50%:リスク資産50% に『変えて』いくのか?
それは、
投資の『下り』を意識し始めるためです。
(投資は、)一個の人生の走り方と似ているのかもしれません。
歩幅を広く取って、
文字通り早く早く走る時期は限られています。
「総資産」の凹みが大きくなり過ぎないよう、
リタイア時に
わたしがお勧めする配分は「安全資産」と「リスク資産」=5:5。
これはある種の人にとっては、
保守的でつまらなく映るかもしれません。
また別の人にとっては
「投資信託を全資産の半分も持つなんて!」と、
ちょっと怖く感じられるかもしれません。
これから先、人生の浮き沈みが激しくなって
思わぬ「出費」が重なるときも、
安全資産を50%持っておけば安心です。
また逆に、
リスク資産(オルカン)を全資産の50%持ち続けることで、資産の成長性をある程度担保できます。
さあ、オルカンを保有するあなた。
安全資産:リスク資産の「基本比率」が決まれば、
一度『リ・バランス』を行ってみましょう。
案外気持ちがいいものですよ。
カテゴリ:ポートフォリオ運用