If You Can ; もしも貴方にできるのなら、こんな投資法がありますよ
2023年7月31日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
以下の書籍(英語)は、
1980年代から1990年代に生まれた
「ミレニアル世代」を想定して書かれたものです。
作者は、
投資関連の本をいくつも出されている
ウィリアム・バーンスタインさん。
タイトルは、
『If You Can: How Millennials Can Get Rich Slowly』
もしも、貴方にできるなら。
<ミレニアム世代がゆっくりお金持ちになる方法・・>
本書の中で推奨されている投資手法は
きわめてシンプルであり、
7歳の子どもにも理解できる『投資戦略』であると述べています。
その内容とは・・?
⇒ 25歳になったら、
毎月の給料の15%を、
次の3つのファンドに均等に積み立て投資しなさい。
(米国株式インデックスファンド)
(先進国株式インデックスファンド)
(米国債券インデックスファンド)
そして、
1年に1度「リ・バランス」しなさい。
それを65歳になるまで続けるのです。
はい、おしまい。
えっ?
ミレニアル世代は(その両親の世代と違い)
「年金制度」があてにならない。
したがって、自分で
貯蓄 ⇒ 投資という『生活習慣』を身に付けないと、
老後は悲惨なことになると氏は訴えています。
ところで、
給料の15%を、3つのファンドに投資し続けることは
どれほどの困難を伴うのでしょうか?
というレベルではないはず。
「このシンプルなレシピを実践できたら、
あなたは大方のプロの投資家を打ち負かすことができる。」と、バーンスタイン氏は述べていますが、
では、この『投資手法』のどこが難しいのでしょう?
バーンスタイン氏は本の中で
こう述べています。
給料の15%を3つのファンドに投資し続けることは、
食事をほとほどにして、運動を行って、
スリムな体を維持しましょう、ということと同じ。
人はフルーツや野菜を食べるより
ピザを食べることが好きなので太ってしまうのです。
月曜日の夜はジムに行くより、
フットボールの試合を見たくなるものですし・・。
なるほど・・。
ただ、あえて上記のふたつの行為の
違いを挙げてみると、
つみたて投資は【自動化】出来ますが、
ダイエットは完全には【自動化】できません・・。
(実は、バーンスタイン氏自身、
ダイエットはうまくいっていないが、
投資のほうはうまく実践できていると告白しているのです)
また、氏は、
「もしあなたが
幸せな老後を確保したいのなら、
越えなければならないハードルが5つある」と云います。
わたしが「なるほど・・」と思ったのが、ハードルの3。
ハードル3とは? ↓
ちょっと飛行機にたとえてみましょう。
基本を学ぶとは?「航空学」について知ること。
歴史を学ぶとは?
「過去に起こった航空機事故」を知ることです。
わたしは、
『歴史』に学ぶことがより重要だと考えます。
かつてのわたしもそうでしたが、
投資の初心者は
マーケットのアップダウンに遭遇すると、
戸惑い、自分を見失ってしまいがちです。
しかし実は、
マーケットの急落、予期せぬ大きな変動は、
かつて起こったことの繰り返し】なのです。
この認識はたいへん重要です。
私たちは投資の歴史を学ぶことで、市場の大きなうねりを体感することができます。
『大局観』ですね。
この「大局観」を持てるかどうかが、
あなたが投資を長く続けられるか否かの試金石なのです。
長期的な現象に順応していくよう、設計されていません。
今、そこにある変化に対応するよう、
最適化されているのです。
つまり、
私たちは生き物として本質的に
『短期の波』で生きているのです。
『長期の投資』を行うというのは、
かなり高等な、洗練された作業と云えるのではないでしょうか。
先ほど申し上げた、
市場の大きなうねりを体感するためには、なるだけ長い期間の数字の『履歴』を眺めることが有用です。
例えば一例ですが、
以下、1928年から2017年までの89年間の
【毎年のS&P500の結果リターンの数字】です。
市場は、筋書きのないドラマで溢れています。
カテゴリ:投資家の感情リスク