シンNISA解体新書(すでに特定口座等でそこそこファンドを保有している人はどうする?)
2023年7月18日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今日は『全体の』お話をしたいと思います。
「シンNISA口座」はもちろん大事ですが、
それと変わらないくらい「特定口座」も大事です。
〇 お手元の預貯金からは投資には回せない
〇 リタイアまでには15年以上あるよ
という人は、
特定口座等のファンドを売却して、
シンNISAでファンドを買い直す(=乗り換える)ほうがよいと思います。
【乗り換え】のこころとは?
非課税口座の枠を埋めることを優先させ、
しばらくはシンNISAに『引っ越し』をして、
しばらくはシンNISAの中で『暮らします』という意思表示です。
でも?
でも将来的に
シンNISAの投資枠「1800万円」が埋まれば、
再び特定口座で積立を開始して、
再び特定口座に『戻ってきます』という意思表示でもあります。
これが「全体図」。
なので、
シンNISAも大事ですし、特定口座も大事なのです。
今は【乗り換えの資金】のお話でしたが、
これまで多くの人が
コツコツ積立投資を続けてきたはずです。
具体的には、
『つみたてNISA』で積立、
『特定口座』でも積立をして、
『iDeCo』でもコツコツ積立投資をする・・
他にも、
一般NISA口座、
会社の確定拠出年金(企業型DC)という「窓口」もありますが、
という人は結構多いのでは?
例えば、ですが、
確定拠出年金
(企業型DC・iDeCo)を除いて、
今「月6万円」くらい
積立投資を行っている山本さん(仮名)がいるとしましょう。
これまで、
この月6万円は、
〇 特定口座 約2.7万円
というふうに積み立ててきました。
これを来年(24年)以降、
とするわけです。
あっ、
今お話しているのは
【新規の投資資金】のお話です。
シンNISA関連の話題で
意外に見落とされがちなのは、
この【新たに投入する資金】です。
来年から
これまでの積立月6万円をシンNISAに移行させる。
もっともオーソドックスなやり方ですね。
これを
【やり方・その1】と名付けましょう。
さて、
この『やり方・その1』に則ると、
シンNISAでは
あと月24万円の『枠』が
残っていることになります。
仮に山本さん(仮名)が
インデックス型のファンドを選べば、
「成長投資枠」にも「つみたて投資枠」にも
積立投資が出来ることになります。
シンNISAの「年間投資枠」は360万円になり、
月ベースに直すと 30万円/月 になるのです。
シンNISA
※これから先、NISAの投資枠については、『新規の資金』と『乗り換え資金』を区別してイメージするようにしましょう。
上記、24万円まるまる『特定口座』からの「乗り換え」に使う。
もちろんOKです。
仮に今、山本さんが、
「計2000万円」の投資信託を保有しているとしましょう。
(場合によっては、
特定口座だけでなく、一般口座、また一般NISAでも
株式、ETF、投資信託等で運用資産をお持ちのケースもあります)
月に24万円、
年間で288万円を、
特定口座から、
シンNISAに、
せっせと『お引っ越し』していくわけです。
具体的には?
(ネット証券の投資信託定期売却サービスを使うのも手です)
これを、
5年間(24年~28年末)行えば、
シンNISAの投資枠(計1800万円)はいっぱいになります。
もちろん、シンNISA内で買い付けるファンドは、全世界株式型のインデックスファンドなど、高度な分散を施した道具に「1本化」するのが望ましいでしょう。
「整理」しておきましょう。
通常の積立投資 | 月6万円 | 新たな資金 |
特定口座からの乗り換え | 月24万円 | 乗り換え資金 |
計 月30万円 |
簡易計算になりますが、
5年間で
「特定口座」から「シンNISA」に乗り換える合計額は、
288万円(年)×5年 = 1440万円
となります。
ファンドに利益が乗っているケースが多いため、
特定口座内のファンド売却総額は1440万円よりずっと大きくなります。
今日のお話でもっとも重要なポイントは?
山本さん(仮名)がこれまでやってきた
月6万円の「純粋つみたて」のリズムを、
シンNISAでも変わらず『続ける』という点です。
あっ、シンNISA1800万円の枠が埋まったあとの、月6万円の積立投資は、再び「特定口座」に戻って続けるのですね?
ハイ、その通りです!
カテゴリ:NISA活用法