投資家の感情リスク

ファンドを『売りたくなる病』『利益を確定させたくなる病』にようこそ

2023年6月15日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

お気持ちはよーく分かります。

(最近の株式市場を見ていると、)

なんでこんなに上がるの?

と首を傾げたくなりますね。

 

 

 

 

6月11日時点になりますが、
米国の株式市場は年初から、

 

 

S&P500に関しては12.41%、
ナスダックは27.65%も上昇しています。

 

 

さらに6月14日時点で、
日経平均株価は年初からなんと28.39%も上昇しています。

 

 

 

マーケットは(そもそも、)

下がるときは下がり過ぎ、
上がるときは上がり過ぎます。

「ほどほど」というものがありません。

 

アップもダウンも、
弾み方が「えっ?」というくらい極端になりがちなのです。

 

 

「とんとん拍子に上がっている」
という表現がありますが、

今がそれでしょう。

 

 

例えば、
つみたて投資を始めて2年とか3年くらいの人は、

なんだか「ソワソワ」して
落ち着きがなくなってきているのでは?

 

 

 

累計の投資元本が100万円ほどあるとして、

それが今130万円とか140万円になっていれば、

 

けっこうな利益が出てる!

 

と、

スマホ画面を見ながら、
最初は(ニッコリ)微笑んでいられるのですが、

 

 

 

(でも)そのうち、
こんなことを思い始めるのです。

 

 

<具体的症状>
『いったんファンドを売却したほうが良いのでは?』
『含み益の分だけも売っておいたほうが良いのでは?』

 

 

特に後者の、
含み益の分だけも売っておいたほうが良いのでは?

という「思い」は、

わたし自身、
投資ビギナーの頃に何度も経験しました。

 

 

 

 

 

これが
『売りたくなる病』の発症です。

※誰もが通る道です。

 

 

100万円 ⇒ 135万円!

 

こんなに利益が膨らむのは初めてですよね?

 

ちょっと売りたくなって当然ではないでしょうか。

 

 

100万円 ⇒ 135万円!(利益35万円)

 

 

資産管理画面で確認できる
上記の数字を記念にスクショして、

永久保存版のように
取っておきたいと願う気持ちが募るのです。

 

これが
『利益確定(利確)したい!』という気持ちなのでしょう。

 

 

投資の含み益は 水もの です。

プラス35万円の利益も、
来月には20万円になってしまうかもしれない・・

 

 

初めて「大きな利益」を目の前にすると、
初めて大きく下がることが『恐怖』として、背中のほうに忍び寄ってくるのです。

 

 

だからなおさら、
(利益を)永久保存しておきたい・・

 

 

試練ですね。

 

 

私たちはひたすら
「高値」を目指して投資をしているのに、

いざ(ちょっとだけ)「高値」になったら、
それをスルーする 精神力 も求めらえるようになる。

 

難しいですね。

 

 

 

 

 

ココだけの話でいえば、

 

100万円 ⇒ 135万円!(利益35万円)

 

一度20万円くらい売ってみるのも手なのかもしれません。

 

本当に
利益を確定してみて、
自分がどう感じるのか、自分自身で計ってみる・・

 

最初は嬉しくなるというか、
ほっとした心持ちになると思うのですが、

 

そのうち、

100万円 ⇒ 135万円 ⇒ 115万円 ⇒ 130万円!
              (今ココ)

 

またファンドの評価額が増えてくると、またちょっと利益を確定したくなるかもしれません。

 

 

つまり、
含み益を一部、または全部売ってしまうと、
それがクセになるのです。
なので、やっぱりわたしはお勧めしません。

 

 

 

 

 

先ほど、

初めて「大きな利益」を目の前にすると、と述べましたが、

 

100万円 ⇒ 135万円!

利益35万円というのは
果たして「大きな利益」なのでしょうか?

 

もう一度『基本』に帰ってみましょう。

 

 

投資とは
老後の「備え」のために行うもの。

それ以上でも、それ以下でもありません。

 

あなたがリタイアしたあと、少しでも余裕のある「暮らし」を実現できるよう、時間をかけて、経済的な基盤を築くことです。

 

 

目指すべき利益、
『大きな利益』というものは、

 

ほんとうは、1000万円  2000万円!(利益1000万円)とか、
2000万円  4000万円、5000万円!(利益2000万円、3000万円)という類の数字を指すのではないでしょうか。

 

 

売りたくなるお気持ちは痛いほど分かりますが、

でも、「小さな利益」を一度スルーできれば、
それはあなたにとって小さな自信(糧)になります。

 

先々、本当に『大きな利益』を目の前にした時に、
大汗を掻くくらい悩めばよいのです。

その時まで、ご家庭や仕事のほうに注意を向けておきましょう。

 

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