NISA活用法, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)

出口のメリットを考えると、iDeCoよりシンNISAが有利になってきた

2023年5月31日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。 

iDeCoと
来年から始まるシンNISAでは
その『キャラ』がずいぶん異なります。

 

iDeCoは・・?

所得控除というメリットを
道の途中で規則的に受け取りながら、
でも『出口』は、霧で覆われていてちょっと不透明かな・・という様相。

 

いっぽうのシンNISAは?

投資の途上では
(実は)メリットは全然ありません。

 

地味にコツコツと積立投資を続けて
(もしそれが続けられれば、)

最後の最後で霧が晴れて、
『出口』のところで
大きなご褒美(非課税)がもらえるというイメージ・・。

 

 

 

 

iDeCoが(シンNISAと)異なるのは
そもそも『年金制度』である点でしょう。

 

わたしのような
公的年金のボリュームが薄い、
老齢基礎年金のみを受給するような人向けに作られた制度なのです。

ですので、
60歳以前にお金を引き出せない等、
厳格なしくみが存在するわけです。

 

 

これから示すことは、
上記iDeCoの『存在意義』を否定するものでは決してありません。その点、ご留意ください。

 

 

さて、ここからは、

「毎月定額で」
「長期のつみたて投資」を行う仕組みとして
iDeCoとシンNISAを比較してみましょう。

 

 

わたしは
シンNISAのほうが有利になっていると感じます。

 

 

〇 iDeCoのメリット『所得控除』は、

掛金を払い続ける限り「確定」であり、
毎年「継続」するわけです。これはうれしい。。

 

それに対して、
〇 シンNISAのメリットは
将来の「利益」が『非課税』になること。

 

非課税の期間も無期限化されるため、
お手持ちの金融商品をいつ売却しても、
(利益が出ていれば)『非課税』が約束されます。

 

しかし
それって?

 

「今すぐ」の話ではなく、
「将来の」メリットですね。

 

はっきり言って『遠い』のです。

 

 

 

 

道の途上では?

特別良いことは「何も」ありません。

地味で
見栄えがしない、淡々と続く長い道なのです。

 

では、iDeCoに即軍配が上がるかといえば、そうでもありません。

 

上述したiDeCoのメリット『所得控除』では、
長年にわたって所得税、住民税が軽減されますが、

これは正確に言えば、
『課税の繰り延べ』です。

 

 

ほんらい課税される部分を
繰り延べているだけなので
『出口』部分で課税されるわけです。

 

 

※以下の文章は
50代後半、60代の人は気にする必要はありません。

(iDeCoの『受給』が近づいているためです)

 

 

ほんらい課税される部分が、
『出口』部分で課税されると言及しても、

今まで特に問題視されなかったのは、

 

 

退職所得控除
公的年金等控除という『控除』の厚さが大きく、
そしてその控除の分厚さを超えて
課税される部分の、
所得税・住民税も
そんに高税率にはならないだろうという、希望的観測があったためです。

 

 

 

 

 

ところが将来、

 

〇『控除』の厚さがかなり小さくなる
〇 控除部分を超えて
課税される部分の、
『所得税・住民税』も
それなりに高税率になる

 

が現実として起こるようであれば、

 

 

(逆に)シンNISAの
将来の利益に対して非課税というメリット何倍も輝いてくるのです。

 

 

もちろん、

 

「将来の」利益に対して非課税・・・

 

と書くのは簡単です。

 

 

しかし、この「将来の」の部分を、

 

3年後にしてしまうのか、
23年後に出来るのかで、
見える景色(利益の大きさ)は大きく違ってくることでしょう。

 

そこには大きなガマン(耐力)が求められます。←ココ、重要。

 

 

が、仮に、小さな利益をスルーして
大きな利益のみに注力出来れば、

「将来の」利益に対して非課税というシンNISAのメリットは、圧倒的なものになり得るでしょう。

 

 

 

 

結局、両制度の相違は

 

・iDeCo・・  「出口」が不透明
・シンNISA・・ 「出口」でご褒美

 

に集約されるわけです。

 

 

予想を上回るスピードで進む少子高齢化という社会現象、また日本の(今後の)財政状況を踏まえれば、

iDeCo・・  「出口」が不透明

というリスク要素が
長い目で見ると、大きくなる可能性が高いと考えます。

 

 

したがって、
iDeCoの受給までおおむね15~20年超ある人は、iDeCoよりシンNISAを優先させるべきと考えます。

 

※ 上記はiDeCoで掛金拠出を止めよという意味ではなく、
iDeCoの掛金を『減額』して、シンNISAに回すという方法が検討に上がる、ということ。

 

 

カテゴリ:NISA活用法, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)

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