確定拠出年金(iDeCo・企業型)

三菱UFJプライムバランス(8資産)(確定拠出年金)から見えてくる、DC専用ファンドの情報開示の問題点

2023年4月26日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

突然ですがあなたは、
『三菱UFJプライムバランス(8資産)(確定拠出年金)』というバランスファンドをご存じですか?



多くの人は NO だと思います。

なぜなら当該ファンドは
確定拠出年金(DC)専用ファンド」であるためです。

 

 

 

 

この『三菱UFJプライムバランス』は
ひとつの「シリーズ」をなしており、

「安定型」
「安定成長型」
「成長型」
「8資産」の4本が存在します。

 

 

「あー、そういうの、なんかあった。」と感じた人はおそらく、企業型の確定拠出年金(企業型DC)に加入されている人では?

 

わたしは、
『三菱UFJプライムバランス(8資産)(確定拠出年金)』を、悪くないバランスファンドだと思っています。


資産の分散もしっかりしており、
株式に関しては国内・外国の比率もいびつではなく、運用管理費用も年0.352%と低廉です。

 

 

画像元:三菱UFJ国際投信

 

 



 

ところで、
『プライムバランス(8資産)』の各種情報掲載ページを見ると、

 

 



画像元:三菱UFJ国際投信


あれ?

 

何かが足りませんよ。



そう、「月次の運用レポート(最新の月報)」が載っていないのです!

 



(なにも三菱UFJ国際投信だけではありません。)

 

ほとんどの運用会社では、
一般に閲覧できる投資信託の詳細ページでの、
DC専用ファンドの「月次運用レポート(月報)」の掲載を怠っています!

 



ちょっと目を転じてみましょう。
22年3月末現在、企業型DCに加入する人は 約782万人 です。



そのうち、
投資信託を実際に買っている人が4割位しかいないとしても、その数はおよそ313万人。


そのうち、バランスファンドを買っている人は
3割くらいしかいないと見ても、約94万人。



その中で、
わずか 2%位 の人が、

『三菱UFJプライムバランスシリーズ』の、
いずれかのバランスファンドを積み立てているとしても、

その数は18,800人もいます。


 

ちなみにわたしは仕事柄、これまで100例以上の
企業型DCの『商品ラインナップ表』を拝見してきましたが、

『三菱UFJプライムバランスシリーズ』は
もっとも頻度高く拝見したバランスファンドのひとつです。



 

 

で、カンさん。何が言いたいの?

 

はい、

現実に、自社の商品(ファンド)を買ってくれている人が相当数いるはずなのに、(銀行や証券会社を通じて購入する投資信託では)「最新のレポート」を掲載しつつ、



確定拠出年金専用ファンドでは「それをしなくてもよい。」という論法はないのでは?

 

 

 

運用会社さん、
DC専用ファンドでも、ホームページ上で『月次運用レポート(月報)』を載せてください!

 

 

 

正直、

企業型DCを通じて投資信託と出会っている人、半信半疑でコツコツ積立をしている人って、とても「細い糸で投資とつながっているのです。

「細い糸?」



そうです。

 

 

その人は投資信託と今、
なんとか「つながっている」状態ではありますが、

そもそも自分から望んで
投資信託に興味を持ったわけではありませんし、

 

 

なんか制度(企業型DC)が導入されるみたいだから、
せっかくだから「運用」というものに(ちょっと)トライしてみようかな・・と、

ぼんやり『前向き』モードになっているだけかもしれないのです。

 

 

そういう人たちが、


詳細は分からないながらも、
時系列で、かつ定期的に、

投資信託の知りたい情報について継続的に閲覧できるのが、何を隠そう「月次運用レポート(月報)」なのです。

 

 


 

 


ちょっと話題を転じていいですか?

 

先ほどの
『プライムバランス(8資産)』の情報掲載ページを再掲してみましょう。

 

 




画像元:三菱UFJ国際投信



上記、よーくご覧いただくと、

担(PDF)という項目があって、
『運用担当:インデックス運用部』と書かれてあります。



なんとここには、
『三菱UFJプライムバランス(8資産)(確定拠出年金)』の、

運用担当者に係る事項として、
当ファンドの運用に関わる
運用者(責任者)の『名前』まで掲載されているのです!

 

 




画像元:三菱UFJ国際投信


恥ずかしながら、わたくし今まで見落としていました。。

 

これって、
一般の投資信託、
つまり、ふつうに銀行や証券会社を通じて購入する、

たとえば、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の情報掲載ページには、

 





画像元:三菱UFJ国際投信

 


載っていません。

 

なんだか「ちぐはぐ」・・。

 

 

 



三菱UFJ国際投信さん、

逆に、『運用担当:・・』のような貴重な情報は、DC専用ファンドに限らず、すべての投資信託について、積極的に情報開示をお願いします!

(あっ、もちろん他の運用会社さんも、ぜひぜひお願いいたします!)

 

 

【追記】2023.05.01

読者の方から、

企業型DCの『加入者専用ページ』において、
投資信託の月次レポート(月報)は開示され、閲覧できますとの情報をいただきました。
貴重な情報をありがとうございます。

上記につきましては、わたくしの知識不足があり、
企業型DC加入者がまったく「月次レポート」(月報)を見られないというような、誤解を与える表現になってしまっていました。

ここにお詫びして訂正させていただきます。

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