リタイアメント・資産の取り崩し

リタイア後は投資が暮らしに侵食しやすくなる?(現役時代から「アクセルを緩める」練習を!)

2023年4月6日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

会社員であれば、
その日はほぼ決まったスケジュールでやってきます。

えっ、何ですか?

 

「Xデー」です。

 

それは、仕事からの強制退場日です。

 

 

 

 

 

資産運用の視点で申し上げると、
その日を境に、
あなたの環境は一変するわけです。

 

もう、
お仕事をして「収入」を得ることがなくなります。

 

このことの意味を考えてみたことがありますか?

 

 

これまで投資信託の積立を続けてこれたのは?

 

自らお金を稼ぎ、定期収入が見込めたためです。しかし勤労収入がなくなれば、投資信託の積立もおしまいです。

 

 

 

「もう積立が出来なくなるのですね・・」

 

という相談者さまの声を
わたしは何度聞いたかしれません。

 

 

 

 

 

また仕事をして「収入」を得ていた頃は、
生活費は全てそこから賄っていました。

 

 

ですから、
あなたの運用成績が大きくアップダウンしても、暮らしに直接影響が及ぶことはなく、
第一「お仕事」で忙しいため、己の資産運用と『ほどよい距離』を保つことが出来ました。

 

 

ところがリタイアするとどうでしょう?

 

もう仕事からの収入はありません。

 

おまけに時間だけは潤沢にあって、
その中で、
あなたもわたしも、

今ある「資産額」をあてにしながら、生活する姿に変わります。

 

具体的には、
公的年金等で不足するお金を、
預金や投資信託から取り崩していくわけです。

 

そう、

 

運用資産額のアップダウンが、
暮らしに直接影響を及ぼすようになります。

 

これは「新たな体験」です。

 

 

 

 

 

ズバリ申し上げると、

 

リタイア後は
投資が「暮らし」に侵食しやすくなるわけです。

 

 

現役時代には思いもしなかった
気持ちの起伏、感情の揺れが起こりやすくなるかもしれません。

また加齢に伴い、
あなたの「リスク許容度」が変化する可能性もあります。

 

 

もう、
積立をして、資産を増やして
『上りの道』をどんどん進むという「フェーズ」は、終了してしまったのです。

 

 

この、喪失感。

 

 

「途方に暮れる・・」
と言うと多少大げさに聞こえるかもしれませんが、

 

相談業務の中で
そのようなお客様の表情を垣間見ることが幾度もありました。

 

 

 

 

幸いあなたはまだ「現役」ですから、
やがて来る、
暮らしの変貌に合わせて、

資産管理に対する『基本姿勢』を、大きく変化させる必要があります。

 

誰がやるのか?

「あなた」自身でやるしかありません。

 

 

私たちはみな、遅かれ早かれ、

 

「お金を稼いで・お金を得る暮らし」から、
「お金を取り崩し・お金を使う暮らし」に変貌を余儀なくされるのです。

 

 

「お金を稼いで・お金を得る暮らし」⇒「お金を取り崩し・お金を使う暮らし」

 

まるで正反対です・・・。

 

 

積立をして、資産を増やして
上りの道をどんどん進む「フェーズ」を『動』『華やか』だとすると、

 

定年退職を境に、

資産を取り崩し、
下りの道をゆっくり進むという「フェーズ」は、

『静』かつ『地味』です。

 

定年退職以降、

長く続く「取崩し期」では、

・もう闇雲に高いリターンを求めることをしません。
・リスクの制御を優先させます。

 

 

 

 

現役時代は80キロで走っていたクルマを、
「わざと」アクセルを緩めて
50キロ~60キロくらいに「修正」するわけです。

 

それが投資「後半」の心構え。

 

 

具体的には、

 

〇 リスク資産の中身をスリム化しつつ、
〇 トータル資産の中での
「安全資産」の比率を高めていきます。
出来れば現役時代のうちにシフトすべきでしょう。

 

 

安全:リスク資産 = 30:70 だった人が、
例えば
安全:リスク資産 = 50:50 にシフトしていくイメージでしょうか。

 

リタイア前の数年をかけて、
ゆっくりと『上る人』から『下る人』に変身していくのです。

 

追伸)

誤解がないように・・。

リタイア後の長い「取崩し期」においても、
投資信託を用いた運用はずっと続きます。死ぬまで・・。

 

 

カテゴリ:リタイアメント・資産の取り崩し

おすすめの記事