特定口座からシンNISAに乗り換える際に、自分の預金を一瞬借りて「売り」と「買い」を同時に行う方法
2023年3月13日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
まずは「シンNISA・要点整理」です。
1.あなたが低コストのインデックスファンド、
つまり、
現行のつみたてNISAに採用されている「インデックスファンド」で、『シンNISA』の枠を埋めたいとお考えなら、
「つみたて投資枠」と
「成長投資枠」を
ひとつの【大きな枠】として捉えましょう。
2.上記1と関連しますが、
「シンNISA」の年間投資枠は360万円です。
(一人当たりの投資枠は計1800万円)
かつシンNISAに移行後、運用可能期間が概ね10年以上ある人は、「特定口座」内のファンド群をいったん売却して、「シンNISA」に乗り換えるべきでしょう。
以下、『具体例』を示します。
「特定口座」ですでに
1000万円ほどファンド資産を保有する本田さん(仮名)。
(つみたてNISAでも投資していますが、
つみたてNISA内のファンドは持ち続けるため、
ここでは除外。
同様にiDeCo内のファンドもiDeCoで積立し続けるため、
ここも除外します)
本田さん(仮名)はこれまで、
コツコツ「通常つみたて」を続けてきました。
この合計6.3万円の「通常つみたて分」が、
意外と見落とされがちなのです。
計6.3万円分の「積立」、来年からどうしましょう?
ハイ、特定口座で積み立てます。
何を?
シンNISAで購入していくのと
「同じインデックスファンド」を・・。
この発想法、ちょっと奇異に聞こえるかもしれません。
カンさん。特定口座内のファンド群を売りながら、
かつ、特定口座で積立するのですか?
ハイ、そうです。
そのこころは?
既存の特定口座内のファンド資産を、
一刻も早くシンNISA口座に移すことを優先させるということです。
※あくまでひとつの「選択肢」です。
慌てず自分に合ったペースでシンNISAに移すのも勿論アリですよ。
ちょっとここから一緒に考えてみましょう。
本田さんはすでに
特定口座で1000万円分のリスク資産を保有しています。
「特定口座」から「シンNISA」への乗り換えは、
新規の買付けではなく、
あくまで乗り換え、いわば『お引っ越し』です。
極端な(かつ非現実の)言い方をお許しいただければ、
24年1月4日
〇 特定口座内 リスク資産(1000万円分)売る!
24年1月4日
〇 シンNISA口座内 1000万円分 買う!
というようなイメージを持つことなのです。
でも実際は?
実際は
特定口座のリスク資産1000万円分を売れば、利益に対して課税されるため、例えば一例ですが、
24年1月4日
特定口座内リスク資産(1000万円分)売る!
24年1月4日
シンNISA口座内 920万円分 買う!
ようなイメージになり得ます。
カンさん、カンさん。
シンNISAではいっぺんに「920万円分」買えないよ!
あっ、ハイ、そうですね。
実際の実際には、
24年1月4日
〇 特定口座内リスク資産約390万円分 売る!
※総資産のうち約4割を利益と仮定。
※税率 20.315%
24年1月4日
〇 シンNISA口座内 およそ360万円分リスク資産 買う!
のイメージに近くなります。
かっ、かっ、カンさん! たびたびの指摘ですみませんが、
1月4日の『同じ日』に、
特定口座でファンドを売って、
同時にシンNISAでファンドは買えないよ。
ファンド解約の際は
お金が戻って来るのに、
4~7営業日位かかるんですから!!あのー、それでも専門家ですか?
あっ、ハイ、実はその通りなのです。
ですので、
特定口座内リスク資産約390万円分 売る!
シンNISA口座内 およそ360万円分リスク資産 買う!
上記、赤字で書いた
シンNISA口座での『買い付け部分』は、
成長投資枠分の「240万円分」と、
つみたて投資枠分の「60万円分」、
あなたの預金から
お金を一瞬借りて、
特定口座での「売り」と
シンNISAでの「買い」を同時に行うのです。← これが本日の主題。
あれれ? カンさん。
さっきはおよそ360万円リスク資産買う。って言ってたのに、
今なんで300万円なの?
ハイ、恐れ入ります・・
実際の実際は、
シンNISAの『つみたて投資枠分』は、
最低「年2回」に分けて投資を行う必要があるためです。
「つみたて投資枠」 60万円 60万円
で、
いっぺんに300万円分、シンNISAでリスク資産買っちゃうの?
24年の1月に?
ハイ。
繰り返しになりますが、
本田さん(仮名)の場合、
あくまで作業の中身は『お引っ越し』です。
すでに1000万円相当のリスク資産を背中に負っていますから、
300万円分のファンド資産を『一度に』売り⇒買いしても、べつに背中に背負うリスク量が増してしまうわけではありません。
【タイムラグ】がない「乗り換え」を実行するほうがより重要と考えます。
そして、この『お引っ越し』の途上でも、
本田さんは計6.3万円の「積立」を粛々と『特定口座』で続けるのです。
で、特定口座から、シンNISAへの「乗り換え」が終わったあとは?
今度は『シンNISA』でコツコツ6.3万円の「積立」を続けるわけです。
で、シンNISAで1800万円分の『投資枠』が埋まったあとは?
また特定口座に戻って
計6.3万円の「積立」を続けるのです。
ですので、
特定口座で新たに積み立てるファンドと、
シンNISAで買っていくファンドは「同じ」にするべきなのです。
本日は長めのお話にお付き合いいただき、ありがとうございました。
カテゴリ:NISA活用法