100年ライフプラン

若い人に現行の医療保険は必要ないと思います。その理由とは・・?

2023年3月1日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

結論から云いますと、今40代前半の人、および30代以下の人は、現行のいわゆる「医療保険」に入る必要はないと考えます。

 

その理由は・・?

 

今から20~30年後には「手術一時金」とか「入院給付金」という保障内容そのものが意味をなくし、陳腐化する恐れがあるためです。

 

 

順を追って見てまいりましょう。

 

わたしがまだ20代の頃、
母がわたし名義で「医療保険」に入ってくれていました。
(すでに解約済みですが・・)

その内容とは・・?

 

病気やケガで入院すると、
「入院8日目から」1日あたり
5000円の『入院給付金』が出るタイプ。
(たしか保障期間は80歳まででした)

 

そのときは(当然)
それがふつうの医療保険と思っていたわけです。

 

 

でも「入院8日目から」ということは?

7日までの入院なら入院給付金は下りません。

 

 

 

 

 

その医療保険に加入したのが、おそらく1996年か1997年頃だったと思うのですが、

「入院8日目から」給付金が出るその医療保険は、当時は一般的な商品であったものの、今では商品の価値が陳腐化していると言わざるを得ません。

 

 

なぜなら、
医療の現場は刻々と変化し、
『平均の入院日数』がどんどん短くなっているためです。

 

 

 

〇 ところで、今あなたがイメージする「医療保険」とはどんなものでしょう?

 

保障期間は一生涯。
入院1日目(1泊2日)から、
あるいは日帰り入院も、保障をしてくれる「医療保険」ではないでしょうか。

 

 

 

以下、日経新聞の記事です。

 

 

同記事では、

 

入院日数の分布データをみると
全体の54%は「10日未満」の短期入院が占める。

 

と記されています。

 

 

 

画像元:日経新聞電子版

 

こんなに『入院日数』が短いなら、

入院1日目(1泊2日)から保障の対象とするという「医療保険」を作っても、保険会社は十分にペイできるわけです。

 

 

つまり、
「入院1日目から保障!」というサービスを打ち出した医療保険が、別に革新的だったわけではなく、

 

入院日数が短くなった昨今の状況に
保険会社が『保障内容』を合わせてきただけなのです。

 

(※ もちろん同時に「入院支払い限度日数」も設けています)

 

 

 

 

わたしは医療の専門家ではありませんので、
以下の意見は素人の領域を出ないことをご承知おきください。

 

果たして、病気やケガにおける【治療の概念】というのは、これから先も変わらないのでしょうか?

 

えっ?  カンさん。何言っているの?

 

 

ひとつ具体例を挙げさせてください。

たとえば『外科手術』といえば
昔はメスを入れて大きく体を開いていました。

今は・・・?  

「内視鏡下手術」というものがあります(お腹を大きく切らずに、小さな穴を複数個所開けます)

 

 

 

 

あくまで素人の意見ですが、
今後20~30年程度を見据えると、

 

医療の連続的な技術革新によって、
いわゆる『外科的手術』やその後の『入院』という治癒方法に代わり、
細胞レベルで病気を根治する、あるいは「オーダーメイド的な投薬」を含めた、よりマイルドで体に負担が起きにくい『内科的治癒法』主流 を占める可能性があるのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

今年43歳(1980年生まれ)のあなたは、20年後「63歳」です。

今年33歳(1990年生まれ)のあなたは、30年後「63歳」です。

 

もしかすると今から20~30年後には、『入院』という言葉は一部の特殊な医療を除いて、ほとんど死語になっている可能性すらあります。

 

 

仮に、ですが、
そのような転換が起こった場合、

「手術一時金」とか「入院給付金」という保障内容そのものが意味をなくし、陳腐化する恐れがあります。

 

これが、若い人が無理して現行の医療保険に入らなくてもよい理由です。

 

 

 

 

誤解がないように申し上げると、わたしは「医療保険」の役割そのものを全否定する者ではありません。

 

もしも陳腐化しない「医療保険」というものがあるなら、
それは病気やケガによって、保険契約者が実際、どれくらいの『経済的損失』を蒙ったかという「実損主義」に基づく医療保険となるでしょう。

 

 

「早いうちから医療保険に入っていれば安心。」
というのは業界側のセールストークなのです。

 

 

結局、保険の本質とはたったの2つです。

それは自動車保険(クルマ乗るとき)と、
定期保険・収入保障保険(小さなお子さんがいる場合)です。

 

でも、今から30年後には自動車保険の概念も様変わりしていることでしょう。なぜなら「自動運転車」が主流になるためです。

カテゴリ:100年ライフプラン

おすすめの記事