どの「波」と付き合うの?という精神で、ビギナーのあなたは購入するファンドを決めるべきです
2023年2月22日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
YouTubeは
新たな知識吸収手段として優れていると思います。
しかし功罪の部分もあります。
それは、
「どの投資信託を選べばよいの?」という問いに対して、
ストレート過ぎる『答え』を
提示してしまっている点ではないでしょうか。
〇 S&P500インデックスファンド、最強!
とか、
〇 オルカン選んでおけば間違いなし!
とか。
いや、上記を否定するわけではないのですよ。
あまりにも物事を単純化しすぎていませんか?
投資に限らず、
ビギナーが何か新しい物事に遭遇した際、
自分にふさわしいモノを『選び切る』って、
なかなかにタイヘンな事です。
投資信託って数も多すぎて、
頭の中が「ぐちゃぐちゃ」になってしまうので、
ついつい
安易な『答え』を他者に求めてしまう・・。
そういう傾向を
わたしは相談業務を通じて感じています。
あっ、
誤解を恐れずに言うと、
「ラスト1マイル」までは辿り着けるのです。
すなわち、
〇 深い銘柄の分散
〇 出来れば市場全体に隈なく投資を行う
選ぶべき投資信託は
50~100本くらいには絞り込めます。
問題は・・「そこから先」
50~100本くらいに絞り込んだあと、
唯一無二の、
ワタシにとっては「これが正解!」
と思える地点まで中々たどり着けない・・
一度深呼吸してみましょう。
投資信託の特徴は?
商品の効用、
つまり「効き目」が事前には分からない点でしょう。
あらかじめ
損益(リターン)の大きさが決まっていない・・
これは、
不規則に
ファンド価格が上下するということに他なりません。
ですので、
自分は、
どの程度の大きさの『ブレ』(振れ幅)と付き合うのだろう?と、
50回くらい自問自答しても
しつこ過ぎることは全然ないわけで。
損益(リターン)のぶれ具合 = リスクの大きさ と、ワタシは付き合えるのだろうか?という「客観視点」を、
(※ちなみにリターンとは、
「マイナスのリターン」と「プラスのリターン」を融合した概念です)
一点注意するべきことは、
傍でジェットコースターのアップダウンを見るのと、実際ジェットコースターに乗ってみるのとでは、感じ方がまったく「異なる」ということ。
同様に、損益のぶれ具合の大きさ(数字)を見て、
「フム、なるほど。」と認知することと、自分のお金でファンドを買って実際に損益のぶれの大きさを経験することも、まったくの「別物」です。
わたしはいつも、
「価格が変動する大きさ」を物差しに、
50~100本くらいに絞り込んだあとの
投資信託を、
ザックリ
3つくらいの『カテゴリー』に分けて、
それぞれ『看板』を立ててお示しします。
なんだか、
昔デパートの8階にあった大食堂の
「和食」「洋食」「中華」みたいですが、
それは投資信託版、
『大波』『中波』『小波』という看板です。
さあ、
どれがいちばんあなたにフィットするでしょう。
上記3つの中から「選びましょう!」
ちなみに、
ここでは『波の大きさ』を、
最大瞬間風速的に発生した「下落幅の大きさ」で示します。
私たちの記憶に新しい3年前の
『コロナショック』(2020年2月~3月)を例に挙げましょう。
実際に以下3種のインデックスファンドを、あなたが自分のお金で買っていると想像してみましょう。
「大波」の代表例。
eMAXIS Slim 全世界株式は マイナス32%程度に。
「中波」の代表例。
eMAXIS Slim バランスは マイナス20%程度に。
「小波」の代表例。
楽天インデックスバランスファンド(債券重視型)は マイナス13%程度に。
それぞれ実際に下がっています。
どうでしょうか?
あなたのリスク資産が上記のように目減りしても、
・仕事もちゃんとこなして、
・ストレスを溜め込まず、
・夜ぐっすり眠れそうですか?
投資信託という商品を特徴づけるのは、
まさに
この損益のブレ方、
そのブレの大きさ =「リスクの大きさ」なのです。
同じインデックスファンドでも、
ファンドの中身によって
背負う『リスクの大きさ』は大きく異なるため、
単純に、
S&P500インデックスファンドでOK!
Slim 全世界株式で間違いなし!
というイメージでファンドを選んでしまうと、
あとで「しっぺ返し」を食らう可能性があります。
毎月のつみたて投資を断念することがないかどうか、
投資信託は選ばれるべきなのです。
(投資を始めてから2年、3年経って
『小波』から『中波』に。
6年、7年経って『中波』から『大波』に変えてもよいわけですよね。
※勿論ずっと「変えない」かもしれませんし・・。)
カテゴリ:インデックス投資全般, 投資信託あれこれ