これは親、祖父母から引き継いだ資産だから持ち続けないと・・というのは間違っているかもしれません
2023年1月24日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
仕事柄、
さまざまな資産のカタチを拝見します。
同じような種類のリスク資産が続く中、
不意に
「もしかすると相続された資産では?」と勘働きがするのです。
相続された資産は、
気持ち的に
自分の資産とは(どこか)別の扱いになります。
それはそうでしょう。
自分で積み上げたモノではなく、
棚からぼたもち的にいただいたものですから。
両親や叔父さんや叔母さんや
祖父母から相続した資産は、
自分のものでありながら、
どこか自分のものではありません。
例えばそれは、
優待目的の鉄道株や
20世紀型の重厚長大型の株や、
親の実家の近くの駐車場や、
昭和の時代に作られたワンルームマンションや、母親が長年保有していた毎月分配型ファンドや、
2048年満期のドル建てゼロクーポン債券や、
ゴルフ会員権や、
ロードサイドに
定期借地権として貸しに出している土地の持ち分1/3や、金(ゴールド)やプラチナや、豪ドル建て預金やインデックスファンドかもしれません。
それがどのような資産にしろ、
譲り渡した人が(もともと)
何かしらの目的をもって購入したモノなのです。
そんなことを考え出すと余計に
資産を引き継いだ人は「遠慮」してしまいます・・。
自分のものではない資産と感じるため、
別の資産のカタチに換えることがなかなか出来ないのですね。
(そんなことをすれば)
元々この資産を保有していた人に、悪いと思ってしまうのです。
ホントにそうなのでしょうか?
ちょっと極端な例を出します。
よく先祖代々の『土地』と云いますが、
これって絶対に引き継いでいくべきものなのでしょうか?
『土地』の希少性とその付加価値は明快でした。
ですので、
先祖代々のこの資産(土地)を引き継ぐことに合理性もあったのです。
が、今では社会のあり様は大きく変容しています。
あなたが引き継ぐべきは?
先祖代々の『スピリット(精神)』ではないでしょうか。
急に話が実務的になってしまいますが、
日本は『大相続時代』に突入しようとしています。
まず、人口動態的に高齢者の割合が増え、
死亡者数が年々増加しています。
(上記図表は2040年の日本の人口ピラミッドです。死亡者数が増すとは、相続の「件数」が年々増加するということ。)
次に次世代に遺す財産の金額ベースも、しばらく増加し続けることでしょう。
資産をそこそこ持ってお亡くなりになる人が増えるためです。
現在90歳の人は、昭和8年生まれです。
昭和58年(1983年)時点で50歳でした。
10年後に90歳になる人は、
昭和18年生まれ。
1993年時点で50歳でした。
『高度経済成長』が続く中で、
貴族出身でも華族出身でも、
富裕層出身でもない多くの人が、
まじめに働き、
マイホーム(不動産)を取得し、貯蓄をコツコツ積み上げ、その結果築いてきた資産があります。
(最初の話に戻りますが、)
それが安全資産にしろ、
リスク資産にしろ、
資産を引き継ぐ側のあなたは、
譲り渡す側の『意思』を、
資産というモノに求める必要は、別にないのですよ。
「気持ち」を受け継げばよいのです。
あなたはあなたで、
それを、有効に、有意義に用いていけるか否かが重要なのです。
実は譲り渡した人が求めている事も同じではないでしょうか?
この、
心ばかりの資産を、
君の人生の局面で実際的に生かしてくれればそれで良い。
こころの奥底ではきっとそう思っておられるはず。
相続で引き継いだ資産をそのまま置いておくのではなく、あなた自身が有意義に使えるように(もし必要であれば)正々堂々と資産のカタチを変換させましょう。
株式や、駐車場(不動産)や
毎月分配型ファンドや
ゴルフ会員権や金(ゴールド)を、
「シンNISA」の器を用いて、インデックスファンドの形で運用していっても全然構わないわけです。
その代わり、
長く慈しんで育ててあげてくださいね。
カテゴリ:100年ライフプラン, ポートフォリオ運用