最初から国・地域、資産の分散を施して、あとはデンと構えて深く座っておく・・あなたには出来ますか?
2023年1月12日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
人間は野性の生き物の一種です。
ですので、生存バイアスが強く働きます。
(当たり前ですね)
生物として生き残っていくためには、
「なるだけ早く」
変化に対して「行動する」ことが重要。
じーっとしていたら、
捕食動物に食べられてしまうわけです。
※あなたが時々、夜中にハッと目覚めてしまうのもその名残です。
私たちは
この、生き物としての習性をいまだ保持しているため、
変化に対して「行動」してしまいがち。
いわく・・、
先進国株式を保有していた人が、
米国株式の隆盛を聞きつけて米国株式にChangeし、
米国株式が下がってくると、
これからは新興国株式も必要では?と思い始める・・
仮の話ですが、
あなたの目の前に、
主要な『8資産』がデンと鎮座しているとしましょう。
先進国株式
新興国株式
先進国債券
新興国債券
グローバルREIT
私たちは普段、
「株式」という資産に注目しがちです。
先進国株式
新興国株式
これらの中で、どの国・地域の「株式」が有望かを議論してしまうわけです。
もちろん上記は、
米国株式
日本株式
ベトナム株式・・・と、
「国・地域ごと」の株式も、
その値動きは毎年毎年ランダムであり、
その年の『ベスト』と、
『ワースト』は不規則に入れ替わります。
―これを「一次式」とすると、―
『株式』に、
日本債券
先進国債券
新興国債券
日本REIT
グローバルREIT
を加えた、
複数の資産市場のアップダウンは、
まるで「二次方程式」のようです。
異なった資産(アセットクラス)は
それこそ転がる石のように、
毎年毎年「ランダムに」
「規則性なく」
アップダウンを繰り返します。
みんなでケンズさんの記事を見てみましょう。
『主要8資産の年間パフォーマンスからわかる相場を予想することの難しさ』
画像元:「過去の主要資産のパフォーマンスから考える」(日興アセットマネジメント)
見事に、
毎年のベストな資産、
ワーストな資産がバラけていますね。
これがランダムな値動きの本質であり、資産市場の特性なのです。
例えば普段、
株式のパフォーマンスが、
債券やREITに劣るなんて
あまりイメージしませんが、
「2018年」など、実際にそうなっています。
一蹴するくらいの迫力をもった、複雑怪奇な「磁場」のようなところです。
もっと謙虚になりましょう。
昨年『2022年』の資産市場について
ケンズさんはこう仰っています。
昨年2022年は、上の全8資産が全てマイナスリターンというあまり見かけない年でした。
その中でもリターンが最も高かったのは、意外なことに日本株式(TOPIX(配当込み)の-2.5%でした。
ホントに意外です。
画像元:「過去の主要資産のパフォーマンスから考える」(日興アセットマネジメント)
※上記図表では、日本の円資産以外はすべて「米ドルベース」での成績となります。
ケンズさんも言われていますが、
(株式において)どの国・地域の株式が、ベストなパフォーマンスを上げるのか、
あるいは(株、債券、REITにおいて)
どの資産クラスがベストの成績を上げられるのか、
それらを事前に予測するのは非常に困難(いや、不可能)なのです。
もっと謙虚になりましょう。
米国株式の隆盛を聞きつけて米国株式にChangeし、
これからは新興国株式も必要では?と思い始める・・
今度は先進国債券に妙味!と資産を移し、
これからは日本株式の復活だとまた資産をスイッチする・・
これらすべて、
資産市場の『変化』を、
後追いしていることになりませんか。
予測が出来ない資産市場の変化に翻弄されることなく、予測が出来ないことを前提に、
最初から、
国・地域、資産の分散を施して、
あとはデンと構えて深く座っておく・・・
「動かない」。
あなたにはそれが出来ますか?
カテゴリ:ポートフォリオ運用