投資の発想法, 経済よもやま話

2021年の急騰相場で私たちが学べること

2022年12月4日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

投資における最大のリスクは、
「投資のリスクはない」と思い込んでしまうことです。

 

 

地面から10センチ程度、
体が浮いたように軽くなり、

株式市場は上昇を続ける(=安泰である)と、勘違いしてしまうわけです。

~心地よい、上昇気流。~ 

~どんどん良くなる、投資成績。~

 

 

 

 

ちょうどそういう頃に、
投資に新たに参入する人が増えます。

Twitterのツイートも大賑わい。

投資の本も売れます(^^)

 

何しろ上昇気流に乗っていますから・・。

 

 

 

 

「市場が急変するリスク?
大丈夫っしょ。」

と思ってしまうわけです。

 

 

「リスク」というものは、
それが本当に発生してしまうまでは、
あなたやわたしの頭の中での『想像物』に過ぎません。

 

日々、あるいは毎月のマーケットが
気持ちよく上がり続けている限り、

自分に都合の悪い、市場の『大きな下落』なんて「想像」しにくいわけです。

 

つまり、
リスクの存在が希薄になっていくわけです。

 

 

そんな類の記憶ってありませんか?

 

 

つい、
13ヶ月、14ヶ月前くらいの出来事ですよ。

 

過去の高騰マーケットを、
こういう時に「冷めた目」で振り返っておくってとても重要です。

 

なぜなら、
いずれまた、

地面から10センチ程度、
体が浮いたように軽くなる『高騰相場』は、やって来るためです。

 

 

 

 

マーケットに参加する
不特定多数の「空気感」として、

リスクに対する姿勢が寛容になる様子を、

わたしは
昨年(2021年)もそうですし、
あるいは2006年頃のマーケットにも感じました。

 

 

〇 良すぎる結果リターンが正当化される
〇 投資をしている人が
投資をしていない人を(少し)軽蔑の目で眺める
〇 PERや配当利回りから見れば、
明らかに株式が「買われ過ぎ」なのに、
まったく別の「まだまだ上がるぞ」という指標理屈を借りてきて、そちらのほうを強く信奉するようになる
〇 大きめの資金でスポット買いするようになる
〇 美術品が異常な高値になる(2021年の場合はNFTがそれに当たるでしょう)
〇 ホットな投資対象が、高騰相場の「きっかけ」となり、その後の相場を牽引するようになる
2021年では、大手テック企業の株価であり、ミーム株であり、暗号資産全般であり、SPC(特別目的会社)であったり、NFTであったり、投信でいえば「レバナス」でありました。

 

 

 

 

多くの人が、
リスクはないと勘違いするようになる・・、

また、リスクの存在に気付かなくなると、そこから真の『リスク』がもくもくと醸成され、そのあとの、市場下落の予兆となるのです。

 

このダイナミズムを↑よーく覚えておきましょう。

 

 

マーケットは、
多幸感と過熱のあとに暴落が起こりやすいと云います。

これは、
これまでも、これからも変わらぬ『真理』でしょう。

 

2021年の高騰相場の「結果」を、
わたしはまだ如実には見ていません。

あなたは観ましたか?

 

その「結果」はおそらく
2023年のマーケットに現れるのではないでしょうか?

 

市場が高騰する時こそ、冷めた目で慎重に。
市場が暴落する時こそ、野性の目で大胆に。

 

投資の先人たちがそう囁いています。

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