iDeCo拠出、それともマッチング拠出? 企業型DC加入者のわたしはどっちを選ぶべき?
2022年11月28日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今日は、
『企業型DC』に加入しているあなたに向けてお届けしましょう。
何やら、
今の企業型DCの制度に加えて、
(もしワタシが望めば、)イデコ(iDeCo)にも加入できるらしいということが分かって、ちょっと悩んでいる・・
という人が今日の主人公です。
その前に・・・。
あなたはまず、企業型DC制度で、
『マッチング拠出』が出来るかどうかを、今すぐ会社の人事とか総務とか、企業型DC関連の担当窓口に問い合わせるべきでしょう。
「マッチング拠出」って何?
マッチング拠出とは・・、
企業型DCでは、事業主(会社)があなたの掛金を拠出しますが、それに加えて、あなた(加入者と云います)自身も掛金を拠出できる制度のこと。
すでに『マッチング拠出』をしている人?
あなたは(マッチング拠出を選んでいるので、)
イデコへの拠出は出来ません。 ココ、大事。
つまり、企業型DC加入者にとっては、
(もし御社が「マッチング拠出制度」を備えていれば、)
(※注 実際にはマッチング拠出制度を持たない会社(企業型DC)も多数あります)
正直、上記は『運命の分かれ道』となります。
A、Bにはそれぞれ特徴があります。
既存の企業型DCという制度を使い続けます。
(掛金の額が増えることに。)
口座の管理料も引き続き会社が負担してくれます。
企業型DCが提示する「商品ラインナップ」の中から選ぶことも変わりません。
(難しく考えず、マッチング拠出分も同じファンドを選択すればよいでしょう)
窓口が「ひとつ」増えます。
手続きも自分で行う必要があります。
口座の管理料は、イデコの場合、最低月171円は必要になってきます。
その代わり、自分でイデコの金融機関を選べます。
どんな「商品ラインナップ」を擁する銀行、証券会社を選ぼうか?というプロセスを踏めるわけです(自分好みの投資信託を自由に選べるというメリットあり。)
自分で拠出する掛金分については、
全額『所得控除』が可能になるメリットは同じです。
実は、AかBか?という
「運命の分かれ道」で重要なのは、
あなたの企業型DCの現在の『掛金の大きさ』でしょう。
確定拠出年金(イデコや企業型DCを含む)という大枠で見た場合、掛金の上限は55000円(月)です。
もしも企業型DCで
月2万円超~3.5万円未満の掛金を、会社側が出してくれているなら、
―よほど「商品ラインナップ」が酷くない限り―
『マッチング拠出』のほうを選びましょう。
例えば会社型の掛金が2.5万円なら、
マッチングは「同額」までOKですから、同じ2.5万円が上限となります。
イデコを選択した場合は、
(そもそも)掛金の上限が『2万円』なのです。
※注もしも、あなたの会社が確定給付(DB)の企業年金も備えているなら、
企業型DCで1.2万円超~1.55万円未満の掛金を、会社側が出してくれるなら、マッチング拠出のほうが【掛金の枠】が大きくなります。
に読み替えてください。
えっとカンさん。
ぼくはまだ30歳で、
企業型DCの会社側の掛金が5000円程度しかありません!
ハイ、そういう人は多いと思います。
『マッチング拠出』の掛金額はなぜか、
現在の会社側の掛金額が「上限」となってしまうため、
上記のような人は、マッチング拠出を選ばず「イデコ口座」を開きましょう。
イデコの月の掛金限度額は『2万円』ですから、拠出の枠は大きくなります。
(※注 あなたの会社が確定給付(DB)の企業年金も備えているなら、イデコの掛金限度額は1.2万円(月)です)
制度の『方向性』としては、
みんな同じ土俵の上で「数字」を整合させましょう・・という流れになってきています。
ですので、
ちょっと時間のスパンを長めに取れば、
若いうち、
つまり企業型DCの掛金が少ない時期は
「マッチング拠出」を選ばず『イデコ』で掛金の拠出をして、
40代~50代になって、
ある程度企業型DCの掛金が多くなれば、
「イデコ」への拠出を止めて『マッチング拠出』を選択するという、華麗な変化(へんげ)が求められます。
いずれにせよ、
イデコも企業型DCも、
あなたの資産形成の一部の『パーツ』に過ぎません。
つみたてNISAと、
本丸の特定口座の資産運用をどのような形にデザインするかを考えることが、企業型DC、イデコにおける商品選択のキモになるのです。
カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)