投資家の感情リスク

乱高下するマーケットを乗り切るための酔い止めのクスリとは?

2022年11月5日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

市場の下落はしばしば起こります。

これは、マーケットの基本機能の一つです。

これまでも
これからも、
この機能が変わることはまずないでしょう。

 

まだ積立投資を始めて間もない人は、

 

「自身のトータルリターン(損益)がマイナスに変わりそうだ。」
「先週すでにマイナスになってしまった。」と、

 

慌てふためいているかもしれません。

 

でも、大丈夫です。

 

資産の損益がマイナスになった時から、
あなたの投資は始まるのです。← ホントです。

 

 

 

 

 

株式市場の実態はジェットコースターであり、
例えばある1年間の中での「最大瞬間風速」、

つまりは、
1年の間で
『もっとも下がった瞬間!』って知りたくないですか?

 

 

そんなの知りたくない!

 

 

失礼しました。。

 

でも今後の見地のためにも習っておいたほうがいいかもしれません。

 

アメリカのロボアドバイザー大手
Wealthfrontのコラムに
The Stock Market Is Down—What Should I Do?」があります。

 

こちらの記事内に、
とっても興味深い、米国株式の「時系列の数字」がありました。

 

 

よく言いますよね、

 

昨年の米国株式は
「マイナス14%の成績だった」とか・・。
あれって1年間のトータルの損益です。

 

より正確にいえば、
(その年の)1月1日と、12月31日の市場平均を比較した結果の「数字」。

 

もちろん以下表でも、
Annual Returnとして載っています。

 

 

 

画像元:Wealthfront

 

すごいですね、1927年以来の数字ですよ。

 

「Annual Return」をずらっと見てみると、米国株式はマイナスの年よりプラスの年のほうが圧倒的に多いです。 素晴らしい。

 

実はこの表には
Annual Returnだけでなく、
Maximum Drawdownも掲載されています。

 

 

Maximum Drawdownとは、
1年間の中で、
市場がもっとも下がった瞬間の「数字」を示しています。

 

 

試しに2020年を観てみましょう。

 

 

なんかすごいです。

もっとも悪い瞬間には「34.3%のマイナス」になっているのに、

2020年1年間を通してみると、
年間収益は「プラス24.1%」になっています。

 

 

ここから学べる教訓は?

 

1年間の通算で、立派に「プラスの成績」になっていても、しばしば「マイナスの瞬間」を現出するのが株式市場の特徴である。という点です。

 

 

また、市場の「最大瞬間風速」をいちいち気にして、
それにいちいち反応してしまうと、
(=一部ファンドを売却とかしてしまうと、)

その後のマーケットの回復を、

つまりはその後の「プラスのリターン」を享受出来なくなってしまいます。

 

 

引き続き、図表をご覧ください。

 

 

2020年と同じようなことは、2016年にも起こっています。

それは2003年も同じでした。

1998年もまったく同じ構図。

 

1998年など、最大瞬間風速は「マイナス21.9%」
しかし1年間を振り返ってみると「プラス24.2%」の成績だったのです。

 

 

マーケットがいちいち奏でる、
『短期の乱高下』にいちいち付き合うのは、割が悪いことが分かります。

 

 

 

短期の乱気流を、いかにやり過ごすか。
ココが長期投資のキモなのです。

 

2022年の終盤に、
あるいは2023年の序盤に、

マーケットの乱気流が再びやってくるかもしれません。

 

その時に、
いちいち反応しないこと。なにも行動を起こさないこと。

 

 

そして、市場の乱気流で悪酔いしないための「酔い止めクスリ」って何なのか?

 

それは月並みですが、
「長期」の時間スパンで投資すること。
「分散」を十分に施して投資すること。
そして「積立」投資に徹して、時間の分散も十分に施してあげること。なのです。

 

 

 

 

本当に教科書チックになってしまうのですが、
長期・分散・積立という『投資スタイル』の実践こそ、

悪酔いを防ぐ最強のクスリなのです。

 

株式市場で「乱気流」が起こることは避けられません。

もしも徹頭徹尾、穏やかな飛行を望むなら、
投資という飛行機から降りられたほうが無難です。

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