インデックス投資全般

オルカンの誕生は、2018年9月のブロガーミーティングで決まった?

2022年11月2日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

オルカン、
オール・カントリー

正式名称「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が運用を始めて、ちょうど4年になります。

 

というか、
まだ4年しか経っていないのですね。

 

「それが存在しなかったことを想像するのが難しい製品」こそ、優れたプロダクトの証しと云われます。

 

まさにオルカンは、
ずいぶん前からある投資信託のように思えます。

 

 

 

 

「全世界株式インデックス」というカテゴリーでは、バンガードの全世界株式ETF(VT)が長らく君臨していました。

が、投資信託では
該当の商品がありませんでした。

 

 

ついに2017年、
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」が運用を開始します。
(この投資信託は実質「VT」に投資を行うファンドです)

 

「全世界株式イ・ファンドがようやく登場した!」という興奮の度合いは、

その年の「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」で、いきなり楽天・全世界株式インデックス・ファンドが1位に選ばれたことからも分かります。

 

 

「時系列」で振り返ってみましょう。

 

「楽天・全世界株式イ・ファンド」が設定されたのが、17年9月です。

 

その翌年(2018年)の9月の終わり。
三菱UFJ国際投信が
『ブロガーミーティング』を開催しました。

 

実はわたしもこのミーティングに参加したのですが、
質疑応答のコーナーで
皆が聞きたかった「質問」が出たのです。

 

 

「全世界株式インデックスファンドを作られるのですか?」

 

 

 

 

 

実は三菱UFJ国際投信は
楽天・全世界株式イ・ファンドに対抗すべく、
18年4月に「eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」を設定しています。

しかしこちらは資金が思うように積み上がらず、
「直球勝負しかないのではないか?」という意見がブロガーの間でも持ち上がっていました。

 

いや、もっとはっきり申し上げましょう。

 

楽天・全世界株式インデックス・ファンドが設定されて以来、

「eMAXIS Slimはどうした?」
「やる気あるの?」みたいな疑心暗鬼な意見が、ツイッターなどで飛び交っていたのです。

 

仮に直球勝負で「全世界株式のインデックスファンド」を組成するにしても、

実務的にいえば、
どちらのタイプにするかが問題でした。

 

連動を目指す『指数』を、
「MSCI ACWI」にするのか、
「FTSEグローバルオールキャップ指数」にするのか。

 

 

FTSEのほうがライセンスフィーは低いはずです。

(が、楽天・全世界株式インデックス・ファンドが「FTSE・・」との連動を目指すため、果たして差別化が出来るのか?)

 

仮にMSCI ACWIを選択すれば、
MSCIジャパン指数との連動を目指す「マザーファンド」を、ゼロから立ち上げないといけない。

(MSCI ACWIとは、MSCIジャパンインデックス+MSCIコクサイインデックス+MSCIエマージングマーケットインデックスであるため)

 

 

たしか、MSCIジャパン云々のお話は、ミーティング後の懇親会で代田常務に伺った記憶があります。

 

ともかく、2018年9月のブロガーミーティングで

「全世界株式インデックスファンドを作られるのですか?」という問いに対して、

「分かりました」という主旨の返答があったことは、

一投資家として驚き以外の何ものでもありませんでした。

 

 

わたしは長く投資信託に関わっていますが、

 

投資信託のメーカー(運用会社)が
エンドユーザーの声を聞いて、
ホントに商品を作ってしまうなんて、にわかに信じられなかったのです。

 

(逆説すれば、それほど投資信託の世界は、権威主義的な風潮で凝り固まっていたとも云えます)

 

 

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は2018年の10月31日に設定されました。

繰り返しですが、まだ4年しか経っていません。

 

 

 

 

このファンドを長期で育てていくのは、
ファンド保有者と
メーカー(運用会社)の『共同責任』なのでしょう。

 

最後に、
「オルカン」という名称はすでに
三菱UFJ国際投信が商標登録していますよw

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