WSJの記事『おひとりさまを極める技術』(パートナーを探すより、自分自身のために生きること)より
2022年10月26日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
ウォール・ストリート・ジャーナルに
興味深い記事があります。
『おひとりさまを極める技術』(パートナーを探すより、自分自身のために生きること)
原文のタイトルは
「The Art of Being Single」です。
「おひとりさま」は決して少数派ではありません。
米国勢調査局のデータによると
2017年には米国に居住する
1億2000万人余りがシングル
(離婚、配偶者と死別、または未婚)であり、
18歳以上の成人の約48%を占めた。
なんとアメリカでは
18歳以上のおよそ半数が「シングル」なのです。
わたしは今パートナーがいますが、
仮に離婚したら「ひとり」になりますし、
(もし婚姻関係がこのまま続いても)
妻がわたしより先に逝けば、
そのあとはまた「ひとり」で生きることになります。
自分で稼いで、
自分で使って、
そのお金を自分で管理する。
お金の増やし方、
お金の用い方には、
その人自身の「価値観」が反映される。
今、シングルの人が増えていますが、
それは文化的な『抑圧』が薄れた結果だと思います。
そもそも結婚制度、
形式的な家族、子どもを産むということも、
長年かけて醸成された
社会の、
人に対する「企み」の側面があります。
特にアジア諸国で顕著なのですが、
伝統的な女性観、男性観に押し込めているほうが、社会の側が、人を管理しやすいわけです。
文化的な束縛が緩む中、
自身が経済的に自立していれば、
『シングル』であることは、
生き方の自由度を担保してくれる重要なファクターとなり得ます。
この種の『自由』の流布は
(少なくとも先進各国では)ありふれた「日常」なのです。
上記WSJの記事内では
『幸せな独身生活のヒント』として、10の項目を掲げています。
・今したいことをする。
・自分の人生を評価する。
・シングルであることを考えすぎない。
・支援ネットワークを築く。
・隣の芝生は必ずしも青いとは限らない。
・自分が幸福になれる行動をする。
・自発的に振る舞う。
・今の瞬間に集中する。
・自分自身を愛すべきパートナーのように扱う。
・尊敬できる人のリストを作る。
実は、最後から二つ目の
「自分自身を愛すべきパートナーのように扱う」は、
上記記事内で
トマシェフスキさんが実践されています。
2010年に離婚したトマシェフスキさんは数年前、
仲の良い友人2人が欧州に引っ越したのを機に
シングルライフを大きく転換することにした。
「あの瞬間、他人のために生きるのをやめた。永続的になるかどうかわからない人間関係に期待して生活するのはもうおしまい」と彼女は言う。
「100%自分のための人生が始まった」
トマシェフスキさんは自分自身をパートナーであるように扱うことにした。
(中略)
「今は他人との関係を育むのと同じように、私自身の心を大切にケアしている」
すべからく、
人生とは自分を認めてあげる旅、のようなもの。
自分の気持ちに「正直」であることが重要ですし、お金の『優先度』に関していえば、シングルであることで、
あなた自身の『優先順位』をより反映させやすくなるでしょう。
たとえば過度の貯蓄は避け、
一例ですが、
生涯で、3億4000万円を使い切る。
という『心構え』で
お金と付き合っても別に構わないわけです。
またあるいは、
経済的な安心を傍に置きたいというニーズが高ければ、
一定の時間を割いて、
資産管理のスキル(たとえば投資)を学ぶというのも一考でしょう。
「おひとりさま」でいることは
人としての生き方の原点です。
どんな「自分」を取捨選択するのか、
どんな「自分」に高めていくのかによって、周りの世界が彩られていく。
シングルであることで、
外の世界に目が行きやすく、世間を「地続き」に、フラットに捉えやすくなる。
そこには、
何かの役に立ちたいと
切に願う人が多いとわたしは感じます。
最後に
WSJの記事内、
ドイツ老年学研究所の調査結果から。
40~85歳の国民をサンプル調査した
「ドイツ高齢化調査」のデータより・・。
今の単身者は
昔の単身者より
自分の人生に満足していることが分かった。
さらに、シングルは
年を重ねるほどに
人生への満足度が増すという。
人としての、
生き方の自由度が広がっているのを感じます。
カテゴリ:100年ライフプラン