シャネルの革新(窮屈さからの解放)、インデックス投資の革新(複雑さからの解放)
2022年10月17日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
「洗練」には、
多くのプロセスを要します。
わたしは女性ファッション史の中で、
シャネルが果たした役割はとても大きいと考えます。
(えっ、カンさん。あなたFPの人でしょ?)
ココ・シャネルは、
過剰に飾り立てた、
誰かに見られるための女性ファッションに革新をもたらしました。
例えば、
1913年~15年にかけて制作された、
この帽子(ストローハット)が典型です。
画像元:Vogue
無駄がなく、
一切の過剰をそぎ落としたデザイン。
「2021年に製作された」と吹聴しても
ぜんぜんおかしくありません。
「引き算の思考」が具現されていると感じます。
あるいは
ジャージー素材で有名なシャネルスーツは、
女性をコルセットから解放し、
機能的で柔軟な動きを可能にしました。
また、こちらのシャネルのドレス(1926年、27年)には、ココ・シャネルの思想が垣間見られます。
明らかに「引き算」しています。
画像元:Vogue
それは、
束縛からの解放。
です。
モノやサービスがいったん過剰になったのちに、
自分たちにとって望ましいスタイルって何だっけ?」と、原点回帰を試みる精神が発露してはじめて現れるもの。
実は「インデックス投資」もまったく同じなのです。
インデックス投資が広まるためには、
その国で
投資が広まった時間的経過と、
洗練のための準備作業が必要となるのです。
「モノやサービスがいったん過剰になる。」とは、一体どのような状況を指すのでしょうか?
それは、
資産市場の上昇が顕著になり、
多くの投資家がのぼせ上って
にわか投資家が乱造される事態を指します。
一度、バブルが世の中に蔓延する必要があるのです。
強気の投資家が多くなれば、
投資は「平均並み」以上の利益を上げるために存在する。という主張が主流になります。
どれほどの意味があるの??
どんなに未熟で、
どんなに若い株式市場でも
『市場平均』は存在しますが、
それをマーケット全体の「温度」を示す物差しに過ぎないと、多くの投資家が思っているうちは、インデックス投資の「イ」の字も出てこないのです。
やがて熱狂相場が萎み、
『バブルの崩壊』で痛手を負った投資家たちが、
市場の様相を違った角度から見始めます。
『市場平均』を自分たちの投資手法のひとつとして見始めるわけです。
(ところで、)ココ・シャネルはその生涯で、たくさんの名言を残しています。
以下、ご存じでしょうか?
Dress shabbily,
they notice the dress.
Dress impeccably, they notice the woman.
下品な服装は服だけが目立ち、
上品な服装は女性を引き立てる。
投資商品も同じです。
それそのものが主人公ではないのです。
インデックスファンドは、
それを保有する人となりを浮かび上がらせます。
複雑さではなく、
シンプルさを希求する人がインデックス投資を発見するのです。
カテゴリ:インデックス投資全般