読書の『秋』、基本に帰って投資本5冊を読んでみよう!
2022年10月13日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
『読書の秋』です。
久しぶりにギュッと厳選した投資本「5冊」をご紹介しましょう。
まずは1冊目!
敗者のゲームの初版は1985年。
40年近くにわたり読み継がれていることになります。
実はこの本の元になっている
「The Loser’s game」というエリス氏が書かれた論文(1975年)があります。
その論文の中でエリス氏は、
「過去10年間、85%のアクティブファンドは、S&P500指数を下回る成績しか残せていなかった」と喝破しました。
また、本のタイトル
敗者のゲーム(The Loser’s game)の意味を知るために、
エリス氏のとっておきのエピソードがあります。
それは『テニスのお話』です。
・・エリス氏が奥様とテニスをしている時のこと。・・
彼女は優秀なテニスプレーヤーですよ。
でもしきりに
「わたしが勝った。わたしが勝った」って言うんです。
まるで、自分が主人公のように・・。
でも実は彼女が勝ったのではなく、
わたしが彼女のサーブを取り損なって、
(つまりはわたしがミスをしたから)
彼女に軍配が上がっただけ・・。
ゲームの主人公はわたしだったのです。
本書の語り口はウィットに富んでおり、文章そのものに「品」があります。
(たくさんアンダーラインを引きたくなってしまうのです(笑)
続いて2冊目!
ふつうのサラリーマン投資家が長い年月をかけ、
さまざまに悩み試行錯誤しながら、
己のスタイルを信じて、
投資を愚直に続けてきた『投資半生記』とでも云うべき本です。
それまでの
専門家が書いた
考え方・理論のみの本ではなく、
文字通りのノンフィクション(体験事実)である点がエポックメイキングだと思います。
わたしに資力があったなら、
水瀬さんの本を原作にして、
ネットフリックスでドラマにしたいくらいです(^^)
そして3冊目!
日本においては、
星野さんが
「つみたて投資」の理論的体系を作られたといっても過言ではありません。
投資信託そのものの成績と、
つみたて投資の成績は「別物」になる。
ファンド価格が下落する中で積立を続けると、量(口数)を貯めることになる。
本書では
さまざまな積立のシミュレーションを提示しながら、一括投資とはまるで違う「累積型の投資スタイル」を実感することが出来ます。
次いで4冊目!
タイトルの真意は、
「初心者は株を買うな!
インデックスファンドを買え!」であります。
今、まさにゼロ地点にいて
投資に関して
まったくの初心者である人にお勧めです。
また、
やってはいけない投資法、
間違った投資信託の選び方についても詳説されています。
わたしが興味深かったのは、
内藤さんがインデックスファンドを
投信業界の中で「成長分野」と捉えられている点。
(10数年経った今、それは正しかったと云えるでしょう。 今は不動産方面のほうでご活躍のようですが。)
最後に5冊目!
この本は11人の投資実践者の「体験談」からなります。
皆さん、
投資の履歴の長さも違いますし、
利用する金融商品も異なります。
しかし共通しているのは、
投資の原則(骨太の考え方)を、
〇 自身の暮らしや人生の中に位置づけて、
〇 コツコツ続けている。
という点でしょう。
本書を読めば、
投資はまさに十人十色であるという『多様性』と、
そして11人の心の中に流れる『普遍性』を同時に感じることが出来るはずです。
(とてもユニークな投資本です。)
カテゴリ:投資の発想法