お金の摩訶不思議

2024年度からの「新紙幣」ってホントに必要なの?

2022年10月7日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

皆さん、覚えていますか?

2024年度より
新たな紙幣
(千円、5千円、1万円)が流通を始めます。

 

「偽造防止技術も格段に進歩して・・」
という触れ込みですが、

今後も「現金が主役!」という前提の
経済の制度設計って本当に正しいのでしょうか?

 

 

 

 

 

日本は、面白いです。

上記記事によれば
(他の国々に比べて)
GDP比で『現金流通量』が突出して高いのです。

 

また、
日銀の「資金循環統計」によれば、

2020年12月末時点で
個人が保有する現金、
いわゆる『タンス預金』は100兆円を超えています。

 

ヒャクチョウ円!

 

もちろん、
預金に預けても「金利」が付かない、
『ゼロ金利』の影響も大きいと思われますが・・・。

 

 

ところで、
2023年から、
デジタルマネーによる【給与振り込み】が解禁になり、

 

具体的には
あなたのPayPayや楽天ペイに、
銀行口座を介さずに
直接「給与」を振り込んでもらうことが可能になります。

 

 

 

 

なんと言いますか、

紙幣(現金)になる前に、
お金は『デジタル』で
自由に流通するようになるわけです。

 

たしかに、
渋沢栄一さんは
偉大な人物だと思いますが、

果たして24年度に「新紙幣」って必要なのでしょうか?

 

 

お隣の中国では
『スリ』の人が
軒並み失業していると云います。

デジタルマネーが津々浦々まで浸透してしまい、おまけに政府が「デジタル人民元」を普及させようとしている国だからですね。

 

翻って日本では、
未だに侵入窃盗(うち6割が「空き巣」)が後を絶ちません。

(泥棒が家の中に「現金」があるのを知っているためです。何しろ100兆円のタンス預金なのです)

 

 

事実、「現金比率」が高いことで、
犯罪行為の決済にお金が使いやすくなっていますし、

何より売り上げを操作し、
脱税などがしやすくなっている事実も見逃せません。

 

 

お金をデジタル化することで、
さまざまな社会的コストを削減でき、風通しも良くなるはずなのですが、

 

「新紙幣」ってホントに要るのでしょうか?

 

 

 

 

わたしはお金の『あり様』
時代とともに変わるものだと思います。

 

今は紙幣(現金)の刷新に
エネルギーを投じるより、

『キャッシュレス社会』に向けた
インフラ醸成にお金を投じるべきではないでしょうか。

 

デジタルだろうが、
現ナマであろうが、

「お金」は「お金」です。

 

 

余談ですが、
あなたのお孫さんとかが、
昔のアメリカ映画を観ていて、
『銀行強盗の場面』が出てくれば、
「じーじぃ、あの、紙の束って一体何なの・・?」と、あなたに聞いてくるのは確実だとわたしは思います。

 

 

以下、私見です。

 

 

2024年度の「新紙幣発行」が、
お金のあり様の大変化
『経過的現象』として、

その有効性を発揮できる可能性は「ある」と思います。

 

 

どうするかといえば、
「新紙幣」発行に合わせて、
旧紙幣が使える『期限』を
明確に区切ってしまうのです。

 

 

たとえば
あくまで仮の例ですが、

 

旧紙幣は
2027年12月31日を持って
使用できなくなります。

 

なお、
旧紙幣から
新紙幣への交換は
2026年12月31日までをその『期限』とします。

 

こんなふうに法律で定めてしまうのです。

 

お金のご一新ですね。

 

 

 

そうすれば、
タンスとか地下とか裏の倉庫に眠っていた「現行の紙幣」があぶり出されます。

こうすることで、
眠っているお金を表に出させ

平時の私たちが想像も出来ないような
副次的な「消費効果」が見込めると考えます。

 

お金が現物からデジタルに移行するのは、
時代の大きな節目の一つであり、

それは向こう10年ほどで
ドラスティックに実行されるべきものなのでしょう。

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