プラス584万円の意味について
2022年10月6日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
わたしが今30歳だったら、
世の中全部
「ガラガラポンに!」を望むかもしれません。
一度、既成の社会秩序が崩壊して、
これまでの既得権益もきれいさっぱり無くなる・・。
それが「ガラガラポン」。
そのあとには、
清々しい荒地が広がっていて、
そこから、
可能性という「沃野」が出現するのかもしれません。
ただ、このようなドラスティックな事象が起こる確率は(現実的には)低いでしょうから、
30歳のワタシが見るのは、
これまでと同様、
『緩やかな下り』という心象風景なのだと思います。
厳しくなるのが当たり前で、
「良くなる」
「パイが大きくなる」
「希望が広がる」という日本語が思い浮かびません。
どう毎日を乗り切るかにエネルギーのほとんどを費やし、
遠い先のことは
かえって考えないほうが、
気持ちの安寧を得られたりします。
今30歳なら、
1992年生まれです。
金利も付かず、
経済が成長しない、
給料も上がらないという状況は、
わたしの日常、そして成長過程そのものであるわけです。
1980年代後半、金融緩和を持続したままバブル経済に踊り、その後の過度な引き締めによって『デフレのマインド』が醸成された・・、
今年30歳の人が
50歳になるのが2042年。
日本はちょうど高齢化社会のピークを迎えます。
給与がなかなか増えないことに加え、
社会保障制度の抜本改革がなければ、
『国民負担率』は上昇し続け、
手取りの収入はますます細ってしまいます。
学生時代から見てきた
「どんよりした曇り空」は
社会人になっても変わらず、
(30歳)→50歳になっても、
50歳→(70歳)になっても、
曇天の濃さが変わるだけで本質は同じ・・・・
根底には
・・
どうせ
・・
何やっても、
・・
変わんないでしょ。
という諦念が宿っても致し方ありません。
仮に30歳の男女1万人に
アンケートを取るとしましょう。
質問はこうです。
「あなたは両親よりお金持ちになれると思いますか?」
おそらく8割以上の人が
「NO」と答えるのではないでしょうか。
たしかに外部環境は「変えられません。」
わたしも日本のファンダメンタルズ、
基礎的状況は厳しいと感じます。
が、それでも、
日本に住み続ける
日本円でお金を払い続ける前提でいえば、
自分が「動かせる」
自分が「変更できる部分」で、
お金の巡り方が1センチでもよくなるように、自身で努めていくしかありません。
たとえその試みが
「緩やかな下り」の、
下り方を多少「まし」にする程度であったとしても・・・。
ほんの少しではあるけれど、
「自分で」「変更を加える」、
そのアクションを起こすしかないわけです。
具体的には、
投資です。
お金のあり様について
わずかでも
「変えられる部分」。
自身の未来のために
わずかでも「行動を起こせる部分」。
それが、
リスク資産に地道に投資を行っていくということです。
ちっぽけな自分が
ちっぽけなお金を用いて
いったいぜんたい何が変わるの?
とあなたは思われるかもしれません。
もしかすると
この「冷めた感」は、
あなただけではなく、
世界の多くの30歳が抱いている所感なのかもしれません。
乾いた雑巾をギュッと絞るつもりで
かなりキツイかもしれませんが、
もしも仮に毎月4万円が用意できるのなら、
それは最初からないお金と諦め、
毎日歯を磨くように投資信託に積立投資をして、
―具体的には楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)や、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)を推奨。―
仮に、ファンド売却益に対する税負担後、
年率3%程度の「プラスのリターン」を実現出来たら、
25年後、
あなたのお金は次のようなイメージになります。
プラス584万円です。
投資元本1200万円
「劇的に増える!」
というような景色では決してありませんが、
時間を掛けて、
あなたのお金を成長させることは十分可能なのです。
そこには機会があります。
「いや、たったそれだけじゃん。」
でも、このお金が将来、
何らかの形で
具体的に役立つかもしれません。
何に用いるという、
具体的なイメージが浮かんでくればそれでOK.
でも、
たとえ何に使うと具体的に決まらなくても、
もしも25年後、
プラス584万円がそこに『ある』ことで、
あなたの気持ちに「変化」が生じるかもしれません・・。
もしかすると、
この増やすお金の部分があることで、
ほんの少し、暮らしの仕方の「間口」が広がるんじゃないか。
Aで行くというだけでなく、
Bという選択肢も、
(生き方として)もしかすると選べるんじゃないか。
投資とはほんらい、心の余裕を生み出すために存在するのです。
投資は、あなたの味方です。