50代からの投資の注意点について
2022年10月4日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
あなたがもし50代で、
かつ投資の初心者であれば、
いくつか気を付けておくべきことがあると思います。
ご自身の年齢と、
退職する時期との『距離』を測る中で、
「あまり時間がない。」
「早く投資しないと!」
と気持ちが焦るあまり、
一括で投資してしまおうとされる気持ちは、
分からないではないのですが、
リスクに対する「耐性」が十分でない状態で、一挙に大きなリスク資産を負ってしまうのはわたしはお勧めしません。
(メンタル面で見てもかなりリスキーです。)
それよりは、
ある程度まとまった資金を、
予め決められた「月数」で積み立てる。
一例ですが、
おおよそ2~4年くらいの間で、
800万円というまとまったお金を入金し切るには、
25万円×32ヶ月
20万円×40ヶ月
16万円×50ヶ月
というふうに、
大きめの「つみたて金額」を設定する必要があります。
もちろんこれでも
「思い切った投資」であることに変わりはありません。
月16万円とか月20万円ですから!
しかし、例えば
16万円×50ヶ月の例でいえば、
リスク資産800万円が積み上がるのに
「50ヶ月」の猶予があります。
そのあいだ、あなたが投資に慣れていく時間的猶予も生まれてくるわけです。
このほうが一括投資よりも無理のない、投資の実行法だと思います。
50代から退職年までは、
お金が貯められる最後の「黄金期間」となります。
仮に67歳、68歳くらいまで、
何らかの形で就労を続けるのであれば、
67歳、68歳まで「積立投資」は可能です。
もしもあなたが53歳で、
月5万円×12ヶ月×15年の「通常つみたて」が継続できれば、
投資元本だけで「900万円」になります。
50代からの投資のポイントは
「拡大つみたて」+「通常つみたて」という、
『具体例』を再掲してみましょう。
月5万円×180ヶ月(15年)900万円
月16万円×50ヶ月 800万円
上例でいえば、
当初50ヶ月は、
月「21万円」の積立投資を実施するわけです。
(51ヶ月目から月5万円の通常モードに戻します)
けっこうな金額ベースで
リスク資産を買い進めていくわけです。
そしてもう一つの要点は・・?
50代から投資を始めたとして、
いつまでもダラダラと「積立投資」をするわけではありません。
投資信託への積立は、
勤労収入がある時期までが原則ですから、
上例でいえば68歳まで。
終わり(出口)を明確に意識しておくことで、
積立そのものにも張り合いが出てくることでしょう。
上例を『表』にしてみますね。
「積立期」 「取崩し期」
上る 下る
投資という「山」を、「上って」「下る」プロセスこそ、個人の投資全容なのです。
上図のように、
積立期よりも取崩し期のほうが長くなることも「まま」あります。
この図表を脳内でイメージすると・・?
あなたの投資を目一杯「上って」
そして「下り切る」ためには、
限られた「積立期」の中で、
予定しているリスク資産を入金し切りる『勇気』が必要になることが分かります。
例えば、
2022年の10月的な、
この世界の株価状況の中、
「拡大つみたて」+「通常つみたて」で
大きな金額ベースをめげずに入金し続けられるか?という命題です。
上り切ってしまわないと、
「下り」(取り崩しの戦略)は生まれようがありません・・。
ご自身のリスク許容の大きさと対話しながら、
具体的なプラン策定を行い、
粛々とつみたてを実践していく必要があります。
カテゴリ:つみたて投資, リタイアメント・資産の取り崩し